合格する勉強法
「テキストを10回読んでからまとめ教材を2回回す」「過去問を20回回す」など色々な勉強法が提唱されています。
はっきり言うと,どれも違います。
「10回読めばいい」「20回回せばいい」などと言ってもらえれば,楽です。
しかし,それをしても合格できる人もいればできない人もいます。
「合格する勉強法は?」の答えは,
「検索力を高める学習をする」
だと私は考えています。
*合格点を取るのに必要な情報量が掲載されている教材であることは当然の前提とします。
司法書士試験が知識で合格できる試験である以上,本試験当日にしないといけないことは「学習してきた知識を検索すること」だからです。
検索力を高める方法① ―― テキスト編
テキストの学習時,
結論を思い出す前に理由付けや思い出し方を経由する
という思考過程を徹底してください。
具体例
以下の記載は,保証人が複数いる場合の共同保証における,保証人が他の保証人に求償するための要件についての説明箇所です。
ポイントは,連帯債務と異なり,自分の負担部分を超えて弁済などをした場合に求償できることです。
このとき,「保証人が他の保証人に求償するには,自分の負担部分を超えて弁済などをしないといけないんだな」とアウトプットするだけではダメです。
理由(上記の青の下線部分)を経由してから,アウトプットしてください。
でないと,連帯債務とゴチャゴチャになります。
私の講義を受けられている方は,講義で理由付けは青,思い出し方は緑で下線を引いたり書き込みをしたりしますので,それを経由してください。
講義を受けられていない方は,市販テキストであれば,お読みいただければわかるように理由付けや思い出し方が書かれているはずなので,ご自身で理由付けや思い出し方にチェックをつけて,それらを経由するようにしてください。
検索力を高める方法② ―― 問題編
少なくとも間違えた肢については,
テキストに戻って間違った思考過程を確認する
ということをしてください。
どのような思考過程で間違えたかが非常に重要です。
以下のような原因が考えられます。
何が原因かを考えてそれを修正していくのが「勉強」です。
原因1 別のテーマのハナシだと思ってしまった
ex. 民法Ⅲのテキストの契約総論の解除のハナシだと考えたが,Ⅰのテキストの条件のハナシだった
→問題冒頭のテーマを確認していない可能性,キーワード(ほぼ漢字)からテキストの該当箇所を思い出そうとしていない可能性などが考えられる
原因2 原則と例外を間違えた or そもそも原則と例外があることを思い出せなかった
→体系が把握できていないので,小見出しを意識したり,小見出しのみをアウトプットしたりする学習を少し採り入れる
原因3 細かい数字や起算点などを思い出せなかった
→「集中して正確に記憶しよう!」と思うだけだと,おそらく次も間違えるので,そのように規定されている理由から考えるようにするか,(理由がないなら)ゴロ合わせや記憶のテクニックを考える
原因4 その知識があったことは思い出せたが理由付けや思い出し方が出てこなかったので正確に思い出せなかった
→前述した学習が不十分なことが原因です。
「何が原因かを考えて修正する」,これが非常に重要なので,それに集中するため,テキストの該当箇所には迅速に戻ってください。
私の基礎講座を受講された方は,過去問の肢ごとのテキストの根拠ページは,解いていただくすべての問題について以下のように講座専用ブログに書いています。
講座終了後もブログは削除しませんので,ずっとお使いいただけます。
受講中の講座にこのようなフォローがない方は,過去問集の条文,判例などの根拠とテキストの索引を照らし合わせてください。
テキストに事項索引や判例索引だけでなく,条文索引・先例索引・登記研究索引も載せているのは,そのためです(『リアリスティック不動産登記法』は索引が5種類もあります)。
著者ではなく,出版社のスタッフの方が作成してくださるのですが。
本当にありがとうございます。
この検索力については,以下の対談でみっちり1時間お話します。
・山田×松本対談 合格力を高める『検索力トレーニング』とは?
~解答スピードと正答率を高めるための方法論~(無料・予約不要)
2018年8月4日(土)18:00~19:00 東京本校(高田馬場。地図はこちらをご覧ください)
行政書士試験講師の山田先生との対談です。
山田先生との対談は毎回評判が良いので,今回も楽しみにしてください。
業界関係者もけっこう聴く講義です。
松本 雅典