『リアリスティック不動産登記法 記述式』は,ここ数年,手に入れるのが難しくなっており(増刷はされていたのですが),多くの方が出版社に「在庫はないんですか?」「改訂版は出ないんですか?」と問い合わせをしていただいたおかげで,改訂となりました。
近年の情報を入れるだけの改訂もすることができたのですが(通常の書籍の改訂は1割程度の変更だと思います),「どうせなら書きたいことを全部書こう」と思い,3/4程度は原稿をすべて差し替えました。
初版は約400ページでした。
P118までは赤入れで改訂しましたが,P119以降はすべてゼロから新しいデータを作成しました。
ほとんど新刊を書いた気分です(*_*)
改訂の内容は以下のとおりです。
目次
1.改正民法に対応
この時期に出す書籍なので,もちろん改正民法に対応しています。
2.令和元年度までの本試験の情報に更新(第1編・第2編)
この本は,記述を解くスピードを上げつつ,ミスを少なくする解き方を説明したものです。
解くスピードを上げる方法の中核は,以下のように図形を用いて最低限の答案構成で権利関係を整理していく手法です。
ミスを少なくする方法ですが,「人間は数分前に考えたことも頭にない」という前提のもと,依頼・問・注意事項の処理などをマニュアル化します。
上記のとおり,解法自体は初版と同じです。
しかし,近年の本試験で新しい注意事項が追加されたりしましたので,それらの情報を追記しています。
3.問題編を全て差替え(第3編・第4編)
この本の後半部分は,本試験の問題を解いていただき,「この本の解法ではこう解く」という説明方法となっています。
その本試験の問題を,すべて以下のものに差し替えました。
・平成28年度(第3編)
最も分量の多かった(不動産登記〔記述〕だけで18ページありました)平成28年度の問題を選びました。
この分量の問題が解ければ,今後の本試験で量に圧倒されることはないと思います。
・令和元年度(第4編)
最新年度の問題を解いていただくことで,現在の試験の形式を知っていただくことを目的として選びました。
4.「申請件数・申請順序100本ノック」の編を新設(第5編)
これは,以下のように,申請件数・申請順序を,左ページに問題・右ページに解答の問題形式にしたものです。
近年の不動産登記(記述)の最も大きなポイントは,「申請件数と申請順序」を間違えないかです。
本試験後に,法務省から「記述の出題の趣旨」という資料が発表されます。
ここには最低限のことしか書かれませんが,そこに申請順序を問うていることが明記されています。
出題者の視点に合わせ,申請件数と申請順序の対策をする集中講義の編を設けました。
問題形式になっているこの編を回して,本試験で枠ズレをしないようにしてください。
申請件数・申請順序100本ノックのテキスト『リアリスティック不動産登記法』の該当ページは,以下の記事に掲載しています。
記述の過去問集の代わりに
記述の対策として,できれば記述の過去問集も解いていただきたいのですが,その時間がない方はこの本を読めば記述の過去問演習のある程度の代替になります。
少しお読みいただければわかりますが,この本には「平成24年度にこの注意事項が示され……」などの記載が多数あり,本試験の出題方法を徹底的に分析したものとなっています。
平成22年度の問題・解説(本書の解法)をプレゼント
本書に挟み込まれているハガキをお送りいただくと,平成22年度の問題・解説(本書の解法)がプレゼントされます。
本書の解法で練習できる問題が1問増えますので,ご活用ください。
cf.『リアリスティック商業登記法 記述式』の改訂
『リアリスティック商業登記法 記述式』も改訂することになりました。
改訂版のデータは先月出版社に送っているので,4月に出す予定で進めています。
4月末発売予定でしたが,4月は緊急事態宣言を受けて首都圏の書店の多くが休業しており新刊の発売が難しい状況であったため,5月14日発売に延期になりました(書店によっては5月14日に並ばないところもあります)。発売をお待ちいただいていた方,申し訳ありません。
商業登記の改訂の内容は,以下のとおりです。
・令和元年度までの情報に更新
・令和元年度の問題・解説を収録
・「登記することができない事項80本ノック」を新収録
こちらは,1/2程度書き換えました。
商業登記の改訂版も発売されました。
商業登記については,以下の記事をご覧ください。
松本 雅典