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これが司法書士試験の最高の過去問学習方法です

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司法書士試験は過去問だけで合格できるのか?

「司法書士試験は過去問だけで合格できる試験なのか?」が気になる方が多いと思いますので,過去問の学習方法のハナシに入る前に,このハナシをします。

 

直近9年分のデータを見てみましょう。

私は毎年本試験が終わると,すべての選択肢とテキスト・過去問との照らし合わせを行います。

 

*以下のデータは,私が不要とした過去問(数は多くないです)は除いています。また,「どこまで一致していれば過去問と同じ知識なのか?」は,調べる人によって少し誤差が出ます。よって,調べ方によって数問の誤差が出る場合があります。

*「(  )」の数字は,基準点(足切り点)です。

 

 

  午前択一 午後択一
令和4年度 19問(27問) 23問(25問)
令和3年度 19問(27問) 16問(22問)
令和2年度 19問(25問) 17問(24問)
令和元年度 16問(25問) 17問(22問)
平成30年度 19問(26問) 18問(24問)
平成29年度 20問(25問) 19問(24問)
平成28年度 13問(25問) 18問(24問)
平成27年度 18問(30問) 19問(24問)
平成26年度 17問(26問) 8問(24問)

 

 

調べる人によって少し誤差が出ることを考慮しても,過去問だけでは基準点(足切り点)を突破できないことがおわかりいただけると思います。

 

ただし,過去問を完璧にした人の正解数は,上記の表よりも高くなると思われます。

過去問を完璧にするうえで,純粋に過去問知識だけしか習得しないことはありません。

周辺知識も習得します。

また,上記の表は「過去問だけで正解1つに絞れるか」の数字です。

「過去問だけで2つまで絞れる問題」などもあります。

2つまで絞れる問題は50%の確率で正解できます。

よって,通常は上記の表から4~5問は正解数が上がります。

 

しかし,その点を考慮しても,「過去問だけでは基準点(足切り点)に数問届かない(少なくとも午前択一または午後択一の片方が届かない)」のが現実です。

テキストなどで「過去問プラスα」の知識を習得する必要があります。

 

上記の点については,以下の動画でも説明しています。

 

 

 

*「1.過去問だけで合格できるのか?」の箇所を頭出ししていますが,上記の動画を再生したことがある方は,その再生記録がお持ちの端末に記録されており,頭出しされないことがあります。その場合は,お手数ですが,「01:16」の箇所に移動してください。

 

 

最高の過去問の学習方法

とはいっても,過去問知識だけで上記の表の問題数は(実際はさらにプラスで)得点できるわけですから,最も大事な問題が過去問であることに変わりはありません。

 

では,どうすれば過去問知識を習得できるのでしょうか。

単に「何回も解く」というだけでは,習得できません。

単に何回も解くだけでは,本試験で「過去問集ではできていたが,形を変えて出題されたので判断を間違えた」という選択肢がいくつも出てきてしまいます。

 

そうならないために,「選択肢ごとに理由を言えるレベルにする」「解説の内容まで言えるレベルにする」といった方法が勧められるのが一般的です。

 

しかし,私がお勧めする方法は違います。

難しい方法ではありません。

 

みなさんは,過去問を解く際に,「ご自身がポイントと思われる箇所(ex.『過失がある』)」に下線を引きますよね(引いていない方は,これからは引くようにしてください)。

 

そのご自身が下線を引かれた箇所が,講義で講師がテキストに下線を引いた箇所と同じかを確認してください

 

これが,私が現在考える「最高の過去問学習方法」です。

すごく単純ですが,これが「単に過去問の正誤を判断しているのではなく,テキストの内容をきちんと思い出せている(=形を変えて出されても応用が効く)」ことの確認となります。

 

もちろん,一字一句は無理ですが,ほとんど同じであれば,テキストの内容をきちんと思い出せていることになります。

下線の箇所が不足していても,多すぎても,ダメです。

下線の箇所が不足していると,ポイントを拾えていないことになります。

下線の箇所が多すぎると,ポイントがわからず手当たり次第に下線を引いていることになります。

 

具体的に,やってみましょう。

以下のテキストおよび過去問の記載は,「代理人の能力」(民法102条)のハナシです。

講義で講師が,テキストに以下のように下線を引きます。

*赤が試験に出る箇所,青が理由です。

 

 

 

 

 

そして,講義終了後に過去問を解きますが,その際に以下のように下線を引きながら解きます。

 

 

 

 

→ 誤り(効力が生じる)

 

 

このように,テキストと同じ箇所に下線を引けていれば,「テキストの内容をきちんと思い出せている」ことになります。

「確実に大丈夫だ(テキストの内容をきちんと思い出せている)」という選択肢以外は,上記の作業を行ってください。

 

上記の点については,以下の動画でも説明しています。

 

 

 

*「3.最も効率的な使い方」の箇所を頭出ししていますが,上記の動画を再生したことがある方は,その再生記録がお持ちの端末に記録されており,頭出しされないことがあります。その場合は,お手数ですが,「12:09」の箇所に移動してください。

 

 

時間対策

午後は時間が厳しいので,過去問に限らず,答練・模試・問題集などで午後択一の問題を解くときは,時間対策をする必要があります。

 

 

過去問は何年分解けばよいのか?

受験生の方から「過去問は何年分解けばよいのですか?」と聞かれることが多いです。

「昭和の過去問から解くべき」「平成の過去問だけでよい」「過去10年分でよい」など,色々な人が様々な見解を述べています。

 

しかし,「平成の過去問だけでよい」「過去10年分でよい」などと言われるだけでは納得できないと思います。

数字で見るのが最も早いので,以下の表をご覧ください。

 

以下の表は,令和3年度の午前択一の問題のうち過去問知識が,何年度で出題されたものであったのかを示したものです(数字は肢の数です)。

表の左から,昭和56年度~令和2年度を表しています。

1番右の列は,「何年度まで遡ると,令和3年度の午前択一の問題のうち過去問知識の何%を網羅していたか」を表したものです。

5年ごとにマーカーを塗っています。

 

 

 

 

【過去問知識の網羅率】

・5年分 → およそ30%網羅

・10年分 → 約55%網羅

・15年分 → およそ75%網羅

・20年分 → およそ80%網羅

・25年分 → およそ85%網羅

・30年分 → 93%網羅

・35年分 → 98%網羅

・40年分 → 100%網羅

 

 

10年分では,まったく足りないことがわかります。

過去問知識でさえ,約55%しか網羅できません。

過去問知識の90%以上は正確に正誤を判断したいので,30年分は解きたいところです。

 

しかし,使える勉強時間は人によって異なりますので,上記の表を参考に,ご自身の可処分時間との関係で解く年数を決めてください。

 

上記の点については,以下の動画でも説明しています。

 

 

 

*「2.何年分解けばいいのか?」の箇所を頭出ししていますが,上記の動画を再生したことがある方は,その再生記録がお持ちの端末に記録されており,頭出しされないことがあります。その場合は,お手数ですが,「06:19」の箇所に移動してください。

 

 

時期に応じて使い分ける過去問集

上記のように過去問を解いていただきたいのですが,過去問集にも種類があります。

どの過去問集を使用すればよいでしょうか。

 

過去問集は,以下の3種類に分かれます。

 

1. 分野別過去問集

「意思表示」「代理」など分野ごとに,過去問を1問ごとに(大問単位で)並べたものです。

 

2. 肢別過去問集

上記1.と同じく分野別ではありますが,1問ごと(大問単位)ではなく,肢ごとに並べたものです。

 

3. 年度別過去問集

「令和3年度」「令和2年度」など,年度ごとに区切ったものです。

 

時期に応じて,過去問集を使い分けてください。

 

 

3月まで:「分野別過去問集」

直前期(4月~6月)に入る前のこの時期は,上記1.の「分野別過去問集」を使用してください。

 

たとえば,以下の過去問集があります。

 

東京リーガルマインド LEC総合研究所 司法書士試験部 2020/12/23

 

 

司法書士試験 択一過去問本(辰已法律研究所)

 

 

 

なお,上記2.の「肢別過去問集」はお薦めしていません。

肢ごとに知識を確認できるメリットはあるのですが,司法書士試験は組合せ問題がほとんどであり,「組合せ力」を鍛える必要があるので,問題を肢ごとにバラすべきではありません。

もしどうしても肢ごとに知識を確認したくなったら,上記1.の分野別過去問集を使い,「肢ごとに考える」という使い方をすることで代替することもできます。

 

 

4月~6月(直前期):「年度別過去問集」

直前期といわれるこの時期には,上記3.の「年度別過去問集」も使用してください(なお,直前期にも分野別過去問集を1回は解いてください)。

この時期は,本試験形式の問題を解く(計5時間で択一70問・記述2問を解く)練習をする必要がありますし,時間配分の練習をする必要もあるからです。

 

 

司法書士試験の直近11年度分の過去問データ・解答(PDF) ※無料ダウンロード可

なお,直近11年の年度別の過去問は,以下からご覧いただけます。

 

 

・令和3年度司法書士試験/過去問

 午前択一 午後択一択一の解答〔法務省/PDF〕)

 

・令和2年度司法書士試験/過去問

 午前択一 午後択一択一の解答〔法務省/PDF〕)

 

・令和元年度司法書士試験/過去問

 午前択一 午後択一択一の解答〔法務省/PDF〕)

 

・平成30年度司法書士試験/過去問

 午前択一 午後択一択一の解答〔法務省/PDF〕)

 

・平成29年度司法書士試験/過去問

 午前択一 午後択一択一の解答〔法務省/PDF〕)

 

・平成28年度司法書士試験/過去問

 午前択一 午後択一択一の解答〔法務省/PDF〕)

 

・平成27年度司法書士試験/過去問

 午前択一 午後択一

 

・平成26年度司法書士試験/過去問

 午前択一 午後択一

 

・平成25年度司法書士試験/過去問

 午前択一 午後択一

 

・平成24年度司法書士試験/過去問

 午前択一 午後択一

 

・平成23年度司法書士試験/過去問

 午前択一 午後択一

 

 

 

松本 雅典

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