先日,以下の記事に記載しましたとおり,『【第2版】リアリスティック不動産登記法 記述式』に続き,『【第2版】リアリスティック商業登記法 記述式』が発売されます。
4月末発売予定でしたが,4月は緊急事態宣言を受けて首都圏の書店の多くが休業しており新刊の発売が難しい状況であったため,5月14日発売に延期になりました(書店によっては5月14日に並ばないところもあります)。
発売をお待ちいただいていた方,申し訳ありません。
近年の情報を入れるだけの改訂もすることができたのですが,商業登記についても1/2程度は原稿をすべて差し替えました。
初版は約300ページでした。
P248までは赤入れで改訂しましたが,P249以降はすべてゼロから新しいデータを作成し,計437ページの本になりました。
こちらも,ほとんど新刊を書いた気分です(*_*)
改訂の内容は以下のとおりです。
目次
1.令和元年の改正会社法・商業登記法に対応
令和元年12月に会社法・商業登記法の改正がされました。
この改正が令和3年度から出題範囲になるのか令和4年度から出題範囲になるのかはまだ明らかではありませんが,今年出版される書籍はすべて令和元年12月の改正に対応していると思います。
ただし,この改正は,令和2年度の出題範囲ではありません。
よって,令和2年度に向けて使う方は,以下のような「*」がついている箇所は読み飛ばしてください(令和元年12月の改正については「*」をつけています)。
2.令和元年度までの本試験の情報に更新(第1編・第2編)
この本は,記述を解くスピードを上げつつ,ミスを少なくする解き方を説明したものです。
私は,以下のように最低限の答案構成はしますので,その手順などを説明しています。
ミスを少なくする方法ですが,不動産登記と同じく「人間は数分前に考えたことも頭にない」という前提のもと,依頼・問・注意事項の処理などをマニュアル化します。
上記のとおり,解法自体は初版と同じです。
しかし,近年の本試験で新しい注意事項が追加されたりしましたので,それらの情報を追記しています。
3.問題編の2問中1問を差替え(第4編)
この本の後半部分は,本試験の問題を解いていただき,「この本の解法ではこう解く」という説明方法となっています。
初版では,平成25年度(変更型)と平成22年度(組織再編型)を扱っていました。
平成25年度の問題は,変更型の解法を習得しやすい基本的な問題なので,残しました(改正対応などは行っています)。
組織再編型のほうを令和元年度(吸収合併)に変更しました。
吸収合併が組織再編の最も基本的な類型なので,組織再編型の解法を習得するのに打ってつけだからです。
また,現段階で最新年度の問題なので,現在の試験の形式を知れるというメリットもあります。
4.「登記することができない事項80本ノック」を新設(第5編)
これは,以下のように,登記することができない事項となる理由を,左ページに問題・右ページに解答の問題形式にしたものです。
商業登記(記述)で問われているのは,「登記事項が発生するか」の判断です。
問題文で示された事項は常に「登記することができるのか?」を考える必要があります。
問として登記することができない事項が問われていないからといって,すべての事項が登記することができるとは限らないからです。
よって,「登記することができない理由をまとめて学習すること」は,商業登記(記述)の大幅な実力アップになります。
そこで,第5編で,登記することができない理由を問題形式で問う形でまとめています。
第5編の右側のページの解答が,登記することができない理由となります。
これは,問題を解くときのチェック事項となります。
本編の左側のページの登記が出てきたら,右側のページの解答で挙げた事項をチェックしてください。
それらの事項を検討し,問題がなければ,基本的に登記できることになります。
問題形式になっているこの第5編を回せば,本試験で登記事項の発生の判断を迷いなくできるようになります。
登記することができない事項80本ノックのテキスト『【第2版】リアリスティック会社法・商法・商業登記法』の該当ページは,以下の記事に掲載しています。
記述の過去問集の代わりに
記述の対策として,できれば記述の過去問集も解いていただきたいのですが,その時間がない方はこの本を読めば記述の過去問演習のある程度の代替になります。
少しお読みいただければわかりますが,この本には「平成24年度にこの注意事項が示され……」などの記載が多数あり,本試験の出題方法を徹底的に分析したものとなっています。
平成22年度の問題・解説(本書の解法)をプレゼント
本書に挟み込まれているハガキをお送りいただくと,平成22年度(新設分割)の問題・解説(本書の解法)がプレゼントされます。
本書の解法で練習できる問題が1問増えますので,ご活用ください。
松本 雅典