試験勉強は基本的に,「こうやって解く」「記述でこの論点を忘れないように注意する」などと準備します。

いわゆる「やることリスト」を作っていきます。

 

しかし,本試験当日にはそれと同じくらい大事になるのが「やってはいけないことリスト」です。

本試験後に受験生の方とお話すると,「こんなミスをしてしまった……」「こうしなければよかった……」といった声ばかりお聞きします。

そこで,「やってはいけないことリスト」をまとめておきます。

この記事を印刷したりスマホに保存したりして,本試験当日の試験開始直前に確認してください。

 

 

決めている解く順序を変えない

1回目の受験の方に多いですが,「民法の親族・相続から解くと決めていたのに,憲法から解いてしまった」「午後は択一から解くと決めていたのに,商業登記(記述)の答案用紙を見て組織再編だとわかったので,気になってしまい記述から解いてしまった」という方がいらっしゃいます。

私がこれまでお聞きした限りだと,決めていた解く順序を変えて上手くいった方はいません。

本番は「こっちから解いたほうがいいよ」という声が聞こえることがありますが,それは悪魔のささやきです。

 

 

慎重に検討しすぎない

午後択一で起きやすいですが,答練・模試よりも本試験のほうが慎重に検討してしまいます。

間違えても構わない答練・模試とは違うので,そうなってしまうのが通常です。

そこで,解きながら「今までと同じレベル・同じ時間の検討に済ませる」と言い聞かせる必要があります。

これは,特に午後の試験前と午後択一の真ん中あたり(13:30頃)に思い出してください。

 

 

「まず知っている知識を使って答えを出す」という基本を変えない

過去問,答練・模試では,「まずは知っている知識(テキスト掲載の知識)を使って答えを出す」という解き方をしてきました。

しかし,本試験で知らない知識の肢を読んだときに「これ正しい肢のような気がする。しかも,自信がある!この肢を軸肢にしよう!!」としてしまう方がいます。

「そんなことあるの?」と思われるかもしれませんが,本試験後に受験生の方と本試験の問題冊子を見ながら1問1問どう解いたかの思考を確認していると,大変多いです。

これが1問もない方のほうが少ないです。

ですが,誤っている肢は「さも正しいように」作るのが試験です。

出題者の罠にはまる確率が非常に高いので,まず知っている知識を使って答えを出そうとしてください。

 

 

不動産登記(記述)で根拠のない申請順序にしない

たとえば,「A登記→B登記→C登記」という解答を出したとします。

しかし,「なんか普通すぎるな……。本試験がこんな簡単なはずがない!根拠はないけど,『A登記→C登記→B登記』にしてみよう」などとしてしまう方がいます。

普通すぎる「A登記→B登記→C登記」の申請順序は,間違っている可能性もあります。

しかし,根拠のない「A登記→C登記→B登記」の申請順序が合っている確率は,ゼロに近いです。

また,法律家は,決して自分の頭のみで考えるのではなく,根拠(条文・先例など)に基づいて結論を出します。

明確でなくても「こんな条文があったな。先例があったな。」なら構いませんが,根拠なく解答を変えることはしないでください。

 

 

商業登記(記述)で登記することができない事項が見つからなかったら無理矢理に登記することができない事項の解答を書かない

平成30年度や平成25年度が特に多かったですが,登記することができない事項が見つからないので,「理由は(明確には)ないけどこの登記にしておこう」としてしまう方がいます。

登記することができない事項が見つからないのなら,全登記を登記可にしたほうが合格確率は高いです。

令和元年度も同じと保障されているわけではありませんが,8年間開示請求答案の分析をしてきた(毎年100通以上の開示請求答案を拝見しています)私が考える最善の策です。

 

 

手を動かさずに長時間考えこまない

以下の記事に書いたことですが,手を動かさずに長時間考えこんでも,思考が進んでいないことがあります。

図を描いてみたり,他の別紙を見てみたりしながら考えてください。

手を動かさずに長時間考えこむなら,トイレに立ったほうがいいくらいです。

 

 

 

合格を諦めない

試験勉強は,小さな諦めばかりでした。

「もっと詳しく知りたいけど,それは合格後にしよう」「どうしてもこの判例とこの判例の結論が異なる理由がわからないけど,割り切って記憶してしまおう」など。

試験中も,小さな諦めの連続です。

「もう少し考えたいけど,1問2分のペースの制限時間がきたからマークして次の問題にいく」「申請順序が確定したとはいえないけど,答案用紙に書く時間がきてしまったから書く」など。

ただ,大きく(合格)は諦めないでください。

試験中「択一の基準点が取れている自信がまったくない……」「記述は崩壊している気がする……」となるかもしれません。

しかし,採点してみるまで本当にわかりません。

私は,午前択一は22~23問くらいの感覚でしたが,30問取れていました。

基準点ギリギリの項目があろうが合格者の中で最下位だろうが,受かれば同じです。

私は,試験終了10秒前に不動産登記(記述)の登記の目的が誤っていることに気づき,「終了してください」の声と同時に書き直しが終わりました。

記述は,基準点プラス1.0点で合格しました。

 

あがけば,最後にプレゼントがあるかもしれません。

 

 

 

松本 雅典