前回の記事で,本人確認証明書を添付するかどうかの思考過程を説明しました。
本試験が近づいてきましたので,このように「思考過程を準備する」という意識を持ってください
問題を解くときの思考過程や記述の解法など,「準備できる思考過程・手順は,ガチガチに準備する」というのが試験対策の骨格です。
予備校では,これがほとんど語られません。
予備校の「インプット講義」と言われているものを受けたことがある方なら実感されていると思いますが,まさに「インプットの講義」となってしまっています。
その法律を説明するだけなんです。
しかし,予備校の存在意義は「試験で点数を獲ることができるようにすること」だけです。
よって,インプット講義と言われている講義であっても,常にアウトプットを意識しているものでなければなりません。
アウトプットを意識しているとは,よくある「インプット講義の後に,すぐに過去問を解く」とか,「インプット講義の中で問題を解く」とか,そんな次元の話ではありません。
私の講義を受けたことがある方ならおわかりいただけると思いますが,テキストを使った講義で,たとえば,以下のような説明をバンバンします。
・前回の記事に書いた本人確認証明書を添付するかどうかの思考過程
・組織再編の添付書面を漏れなく記載する思考過程(思い出し方)
・「執行供託において,仮差押えしかされていない場合には,義務供託になることはない」などのRealistic rule(そのルールで判断してOKなルール)
予備校ですから,講義は問題を解くためのものでなければなりません。
私はこれを意識して講義しているので,自分自身は「究極のアウトプット至上主義の講師」だと考えています。
誤解があると思いますが,私はインプット重視ではなく,究極のアウトプット至上主義です。
学習の中心とする教材はテキストで,過去問は本試験までに2~3回解けばいいと考えています。
この点をとってインプット重視と捉える方がいるとすれば,それは試験対策の骨格を誤解しています。
「アウトプット重視=問題を何回も解く」では,決してありません。
アウトプット重視とは,「問題を解く際の思考過程を準備することを重視する」ということなのです。
資格試験の予備校の講義が単にインプット講義となっていしまっていることが,「資格試験の予備校が,大学受験の予備校に比べ圧倒的に劣っている」と言われている1つの原因でもあります。
変えていかないと。
4月から答練・模試のシーズンに入ります。
答練・模試について,「解き直す」なんて復習はしなくて構いませんので,以下のことを行ってください。
テキスト・過去問にあるにもかかわらず答練・模試で判断を間違えた肢について,「この知識はどう思考して判断するか」を考える
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