午後択一は,時間が厳しいので,「全肢読むか読まないか?」で見解が分かれます。
「全肢読むか読まないか?」というと誤解が生じやすいのですが,大前提として,
「全肢じっくり検討することは不可能」
*知識の精度が非常に高く,異常に文章を読むのが速い人は除きます。
ということがあります。
以下のことをしていては,物理的に終わりません。
↓
「テキストにこんなハナシあったな……。どういうハナシだったっけ。え~っと……。」などと1肢について10~20秒考える
(オの肢まで以下同)
「全肢読むか読まないか?」は,「全肢目を通すか通さないか?」とお考えください。
これを前提に,どう解くべきか,私の見解を記載します。
3秒ルール
「3秒ルール」とは,1読目でその肢について考える時間を3秒にするルールです(長くても5秒です)。
↓
3秒以内に自信を持って「◎」or「☓」と判断できないなら,「◯」(おそらく正しい),「/」(おそらく誤り)or「△」(知らない)として,イの肢にいく
(全肢目を通すならオの肢まで以下同)
*私は,平成29年度の午後択一は50分で解いて全問正解しましたが(実はお恥ずかしながら全問正解したのは初めてです。例年数問は間違えます),この方法で解いています。でないと,70分を超えると思います。
このように検討していった結果,以下のようになることが想定されます。
パターン1
「ア:◯ イ:/ ウ:△ エ:◯ オ:◎」
解答の候補:「2 アオ 5 エオ」
→オを軸肢にして,アとエのどちらかが正しいと言えないかor誤りと言えないかを考える。ただし,考えていい時間は,マイナー科目であれば1問1分30秒のペース,不動産登記法と商業登記であれば1問2分のペースまで。
ex. 第3問で,このパターン1になった場合,4分20秒(=1分30秒×3問-10秒〔マークする時間〕)になったら自信がなくても,2か5にマーク
パターン2
「ア:◯ イ:/ ウ:△ エ:◎ オ:◎」
解答の候補:「5 エオ」あり
→5にマークして次の問題に
ア~ウの肢はまったく要らなかったわけです。
2肢で答えを出すなら,3肢,つまり,択一の60%(*)は要らないんです。
*3肢で答えを出す方法もありますし,単純正誤問題や個数問題もありますので,あくまでイメージの数字です。
じっくり考えても,60%は無駄なわけです。
だから,1読目で考えていいのは3秒(長くても5秒)にしてください。
「全肢読むか読まないか?(全肢目を通すか通さないか?)」問題
上記の3秒ルールを前提にしたうえで,「全肢目を通すか通さないか?」の問題があります。
たとえば,ア・イで答えが出た場合に,ウ~オに目を通すかという問題です。
*アから読む必要はなく,どの肢から検討すればいいのか,その具体的なやり方は私にも方法論があるのですが,この記事では割愛します(別の機会に話します)。
この場合に,姫野先生が,ウ~オに目を通さないという見解なのは有名ですよね(*)。
*姫野先生の解法の大きなポイントは,どの肢から検討するかにあると理解しています。この記事では,その点について詳しく言及していなくて,すみません。
私は,受講生の方から答練・模試の出来やどのように解いたかなどをお聞きして,人によって変えていただいています。
ア・イを自信を持って「◎」としたが誤りの肢であることが多いという方には,他の肢も目は通すことをお勧めしています。
ただ,いずれにしても,マイナー科目で1問1分30秒のペース,不動産登記法と商業登記法で1問2分のペースがきたら,マークして次の問題にいくのは絶対です。
松本 雅典