司法書士試験の午後択一で全肢読むか?

答練・模試

答練・模試のシーズンに入り,午後択一を70分(理想は60分)で解き終えることの難しさを感じていらっしゃる方が多いと思います。

すべての受験生の方が考えるのが,「午後択一でどの程度肢を読むか?」だと思います。

 

私の考えを述べる前に,全肢読むかにかかわらず,共通して「こう解いていただきたい」という前提を確認させていただきます。

 

 

■前提1――組合せを利用しながら解く(1肢の正誤を判断したら,組合せを見る)

ex.

「正しいものの組合せを選べ」という問題で,アを◎と判断した

 ↓

組合せを見る

 ↓

「1 アウ  2 アオ」だった

 ↓

ウまたはオを検討する

 

※午後択一は,ここまでの解き方は共通です。ウまたはオを検討して答えが出た後に他の肢を読むかが,「午後択一で全肢読むか?」という問題です。

 

 

■前提2――3秒ルールを守る

これは,午後択一の一読目で1肢について考える時間です。

3秒ルールについては,以下の動画をご覧ください。

 

 

*該当箇所を頭出ししていますが,上記の動画を再生したことがある方は,その再生記録がお持ちの端末に記録されており,頭出しされないことがあります。その場合は,お手数ですが,「43:00」の箇所に移動してください。

 

3秒が5秒や7秒になるくらいなら許容範囲ですが,20秒などになると終わらなくなります。

 

全肢正誤を判断することはあり得ません。

私も,全肢正誤を判断していたら,60分で終わりません。

 

 

以上の2つのことを前提として,私の考えを述べます。

 

 

1.本試験で午後択一の基準点を突破したことがある,または,答練・模試で午後択一のアベレージが25問以上の方

→答えが出た段階で,残りの肢は見ずに次の問題にいく

 

2.本試験で午後択一の基準点を突破したことがなく,かつ,答練・模試で午後択一のアベレージが25問未満の方

→答えが出ても,時間(マイナー科目は1問1分のペース,登記法は1問2分のペース)の許す範囲で残りの肢を念のため確認する

 

 

「念のため確認する」という行為は,しないほうがいいという考えもあります。

念のため確認しなくても基準点を割らないなら,しないほうがいいです。

上記1.の方は,念のため確認しなくても基準点を割らない確率が高いです。

 

しかし,上記2.の方は,曖昧な知識がある程度ある中で戦うことになるので,念のため確認しないと,基準点を割る確率が高まります。

私は,近年は受験生の方に「解いた模試の問題を見せてください」「解いた本試験の問題を見せてください」とお願いして,一緒に問題を解いたときの思考過程を振り返ることに力を入れていますが,上記2.の方は誤りの肢なのに自信を持って◎として(またはその逆をして)間違えていることが多いです。

 

ただし,念のための確認で記述にかける時間がなくなっては意味がありません。

午後択一に70分以上かけてはダメです。

よって,念のための確認に使ってよい時間は,制限時間の許す範囲です。

マイナー科目は1問1分のペース,登記法は1問2分のペースがきたら,マークしないといけません。

 

 

 

受験勉強や仕事もそうですが,「その時点で持っている武器は増えないので,その武器をどこに使えば(どこに時間,労力,お金をかければ)最大の効果を上げられるか」を考える必要があります。

それが戦略であり,勝負に勝つ人が共通してできていることなのだと思います。

 

 

 

松本 雅典

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