この国では,「お金を稼ぐ=悪」とされます。
かつて「年収1億円を目指します」と言ったら,某有名大学卒の人に「最低だ!」と言われたことがあります。
円周率は「3.14」でも「3」でも構わないので,義務教育で資本主義の基本くらい教えてください……。
もちろん,違法な手段によって利益を追求することは悪です。
しかし,資本主義の世界で利益を追求することは,本来は素晴らしいことです。
ということで,資本主義について考えてみます。
*「資本主義がそもそも正しいのか」は問題としません。
*格差の助長の問題はありますが,この記事では考慮しません。
お金を稼いだ=価値を生み出した
決まった時間労働すればお金をもらえることが多いので誤解されがちですが,お金を稼いだということは,それだけの価値を生み出したということです。
10年前と今とで,この国のお金の量は変わっていません(※)。
※厳密にいうと変わっていますが,この記事の本質と関係ないので,考慮しません。
しかし,みんながお金を稼ごうとすることで,この国の価値は増大しました。
たとえば,10年前はガラケーを買うのに5万円を支払う必要がありましたが,今は5万円でスマホが買えます。
5万円がグルグル回っているだけにもかかわらず,スマホという新しい「価値」が生まれたのです。
なぜか。
かつては,ガラケーに5万円を支払っている人がいました。
別の人がこの人に5万円を支払ってもらいたいと思ったら,ガラケーよりも良い物を作る必要があります。
そうしてできたのが,スマホです(※)。
※「ジョブズが……」とか「iPhoneが……」とか細かいハナシは,なしでお願いします。
5万円は増えていないのに(回っているだけなのに),ガラケーがスマホになるんです。
これが,資本主義の仕組みです。
今の予備校の講座も資本主義によって生まれた
これは,物だけではありません。
サービスも同じです。
みなさんが身近に感じられる予備校の講座で説明します。
司法書士試験の基礎講座は,かつては,LECさんか早稲田セミナーさん(現在はTACさん)を受講する方がほとんどでした。
伊藤塾さんの基礎講座の受講生数が増えた時期もありました(所先生と山村先生の双方がいらっしゃった時代です)。
その後,辰已法律研究所さんに私の基礎講座ができ,たとえば,近年でいえば,「平成28年度向け→平成29年度向け」と受講生数・売上高が増加しており,「平成29年度向け→平成30年度向け」もかなりの高確率で増加します(※)。
※「増えていてスゴイでしょ!」と言いたいわけではありません。そんなことは言わないほうがいいってことがわからない程のバカではありません。どの講師も,受講生数や売上高のハナシなんてしませんよね。ただ,こういった記事では絶対に自分のハナシをするべきなので,嫌がられるのを覚悟でしています。
かつては,LECさんか早稲田セミナーさん(または伊藤塾さん)を選んでいた方の中で,私の基礎講座を選ぶ方が増えてきたのです。
今まであった講座を超えた「価値」を生み出したからです。
もちろん,実際のところはわかりませんが,少なくとも私の講座を受講されている方は,より価値があると判断されたことになります。
司法書士試験の受験界に新しい価値が生まれたわけです。
今後も,(言い方は悪いですが)受験生の方にお金を支払っていただくために,さらに効率的な講座が生まれるはずです。
私も,負けないよう,講座の価値を高め続けます。
つまり,お金を稼ぐということは,それだけの価値をこの国に生み出したということなんです。
違法な手段によるものでないのなら,決して悪ではありません。
なお,この記事の内容が正しいと言えるためには,「市場の目が適切であること」が大前提です。
お金を支払う人に見る目がないといけないということです。
ですが,司法書士試験の受験界でいえば,市場の目は適切です。
適切でないと言う業界関係者がいれば,あまりに受験生の方に失礼です。
今は,受験生の方がTwitterなどで予備校・講師の情報交換をしますので,どんなに予備校が宣伝しようが,キレイ事ばかり並べたパンフレットを作ろうが,価値のない講座が売れることはありません。
「ものすごい作成費・宣伝費をかけたが,受講している人は数人」なんて講座はザラにあります。
今は,作り手は,とにかく良い物さえ作っていればいい時代なんです。
でも,辰已法律研究所さん,私の講座の宣伝費,もうちょっとかけて(笑)(←おい!)
他の予備校さんと違って,リスティング広告もアフィリエイト広告もYouTube広告も,何もやっていないですからね。
司法試験で「ほとんど宣伝しなくても,良質の問題を作っているから,11年連続模試の受講生数ナンバーワン」なので,「良い物さえ作っていればいいよ」という考えの予備校なんですよね。
さすがにパンフレットは作りますが。
ということで,最後はちょっとブレつつ……,この記事を終わります。
松本 雅典