音読,シャドウィングなどの音声学習が記憶に良いことは明らかですので,司法書士試験の学習にも採り入れてください。
テキストを読んだり問題を解いたりだけだとマンネリ化してくるので,気分転換となるというメリットもあります。
ただ,すべてを音声学習で行うのはやり過ぎですし,非効率です。
たとえば,テキストの記載や過去問をすべて読み上げた音声データを作ることは,やめてください。
音声学習の対象とすべきは,以下の2点です。
1.条文
2.申請書
この記事では,1.の条文について書きます。
対象科目
条文が重要な科目とそこまで重要でない科目がありますので,すべての科目について行う必要はありません。
以下の科目について行ってください。
・民法
・会社法
組織再編は除いてください。
組織再編の条文は,条文数を抑えつつ準用を最小限に押さえるという方針のもと(←なかなかすごい方針です),複数の組織再編がまとめて規定されました。
ex.吸収合併消滅株式会社,吸収分割株式会社,株式交換完全子会社の手続がまとめて規定されています(会社法782条以下)。
そのため,各条文が長く複雑すぎるものとなっています。
組織再編については,条文は読まず,わかりやすくまとまっているテキストのみの学習で結構です。
・民事訴訟法
・民事執行法
・民事保全法
・司法書士法
・刑法
意外と重要です。
各論の問題はほとんど構成要件を聞くものですが,構成要件は条文の文言の解釈です。
各論の問題を解く時に,条文の文言を思い出しながら解けている方はほとんどいないのではないかと思います。
・憲法
特に統治を重視してください。
人権の条文が重要でないわけではありませんが,条文問題が出るのは統治です。
統治の条文問題が復活しましたので(26-2,27-2),今後も1問は出ると思っておいたほうがいいです。
音声データの入手方法
音読するだけなら六法さえあればできますが,シャドウィングを行うには音声データが必要です。
ご受講されている講座で音声データが配付されない場合には,市販のものを利用してください。
以下のような商品が市販されています。
音読・シャドウィングを行う時間
お薦めは,その日の学習開始時(普通は朝一)です。
音読・シャドウィングを学習に入るスイッチにしてもらう趣旨です。
また,この記事にも記載しましたとおり,音読・シャドウィングは脳の準備体操になると言われています。
ただ,人によって勉強のリズムがありますので,たとえば,以下の時間に行っていただいても結構です。
・就寝前に行う
・テキストや過去問の学習がイヤになってきた時に気分転換で行う
音読・シャドウィングの方法
条文の音声学習は,「条文の文言をすべて記憶しよう」と思わず(←私もすべて記憶している条文はほとんどありません),スポーツをする前のランニングのように行ってください。
英文を音読するのと一緒です。
英文をすべて記憶する目的で音読していたら進まないですよね。
結果的に英文を記憶してしまっていることはあるでしょうが。
ただ,条文の文言からテキストのポイントを思い出そうとはしてください。
たとえば,会社法の以下の条文であれば,「名称」という文言から「発起人には法人(株式会社など)もなれるから,『名称』とも記載されているんだな。発起人の資格はかなり広く認められていたな」という知識を思い出してください。
会社法27条(定款の記載又は記録事項)
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株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一~四 (略)
五 発起人の氏名又は名称及び住所
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なお,シャドウィングのやり方については,以下の動画をご覧ください。
※シャドウィングのやり方を説明した箇所を頭出ししていますが,以下の動画をご覧になったことがある方は,端末の再生記録が保存されており,頭出しされないかもしれません。その場合はお手数ですが,「1:05:00」の箇所に移動してください。
「2.申請書」については,申請書の音声学習はこうやってくださいに書いています。