続・テキスト・講義の事例を変える

勉強法 - テキストの読み方

多くの方から「続きが読みたい」とのリクエスト(はありませんでしたが)に勝手にお答えして,1か月前に書いた記事の続編です。
続編なので,ご覧になっていない方は,上記の記事を先にご覧下さい。
※上記の記事中,「北原里英」を「北原里恵」と誤記していました。関係者のみなさんに,心よりお詫び申し上げます。
先日の記事で,要素の錯誤と動機の錯誤については,具体例で確認しました。
続きの,
① 民法95条ただし書の「ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。」
② 動機の錯誤が民法95条本文に言う「要素の錯誤」に当たるか
を具体例で考えてみます。
では,まず①からです。
上記の記事の具体例の続きです。
指原莉乃のポスターが欲しかったのにもかかわらず,北原里英のポスターを指差して「これ下さい」と言ってしまった僕は,家に帰って商品を空けてよ~く見ると指原ではなく北原であることに気づきました。
そこで,すぐにお店に行って,「間違えて買ったので,返品お願いします」と言いました(北原ファンの僕の友達,ゴメン)。
これが,民法95条本文の錯誤無効の主張です(正確に言うと,錯誤により無効であるため法律上の原因なく持っているお金を返せ,との不当利得に基づく返還請求の主張ですが,その点は気にしないで下さい。訴訟実務では重要ですが,司法書士試験においては考える必要がありません)。
この錯誤無効の主張は,1つの例外を除いて表意者(=僕)しか主張できません(例外については,今日は触れないので,お持ちのテキストで確認しておいて下さい)。
店員さんが僕の家まで来て,「さっきの売買は,お前が指原と北原を間違えたんだから,無効だ!」とは言えません。
無効ってのは元々何もないわけですから,本来は誰でも主張できるはずです。
つまり,錯誤無効は,無効の例外です。
ですから,錯誤無効の無効のことを「相対的無効」と言って,普通の無効と区別しています(このため,民法改正で錯誤は無効ではなくて取消しになる方向で進んでいます)。
上記の「間違えて買ったので,返品お願いします」という主張(錯誤無効の主張)が認められるかですが,僕にとんでもない不注意(=重過失)があれば,僕はその主張ができません(民法95条ただし書)。
お店の立場に立ってみて下さい( ← 法律学習において,ものすごい重要な視点です)
こんなの無制限に全部認められたら,メチャクチャになりかねません(お店に行って返品できることがあるのは,あくまでお店の好意なので,別にお店は拒否しても何の問題もありません)。
ですから,僕にとんでもない不注意(=重過失)があれば,返品ができません。
※どの程度の不注意が重過失に当たるかとか,重過失とは何かとかは考えないで下さい。試験には出せません。当事者の能力,事前に持っている情報,行為の態様・・・etc.様々なことを考慮して,最後は裁判所が決めます。上記の例だと,「指原と北原を間違えた僕はとんでもない奴だから,重過失があるに決まっている」と僕は思うのですが,その判断は裁判所に任せましょう。
すみません,長くなったので,②はまた違う回に書きます。
(今日のつぶやき)
最近このコーナーとの区別がない記事がありますが,ブログのタイトルを
『【XANADU】司法書士超短期合格法研究ブログ』
あるいは,
『司法書士超短期合格法クオリティー』
にするつもりはありませんので,ご安心下さい。

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