答練・模試の復習にかける時間
復習は,答練・模試を受けた日(その日に勉強時間が取れないのならば翌日の午前中)に終わらせてください。
復習するのは,以下の2点のみです。
1.正誤を間違えた肢
2.どうしても確認したい肢
この2点の復習がその日に終わらないのであれば(間違えた肢が多いのであれば),答練・模試の復習に時間をかけている場合ではありません。
テキスト・過去問の学習に時間をかけるべきです。
復習する肢
上記1.と2.の肢のうち,復習すべきは「テキストにある知識」です。
テキストにない知識は,捨てて構いません。
答練・模試で知識を拾わないと合格できない講座やテキストは,欠陥商品です。
そんな講座やテキストは選んでいないでしょうから,大丈夫です。
テキストにある知識の復習方法
たとえば,以下の肢を間違えてしまったとしましょう。
(24-16-1,5-6-オ,57-7-2)
正誤は「誤り」です。
何が原因で間違えたかを考えてください。
この場合,以下の2つが考えられます。
①「受働債権」が,相殺する者から見て債務であることが思い出せなかった
②自分の債務は期限の利益を放棄することができるため(⺠法136 条2項本⽂)弁済期を到来させられる,ということが思い出せなかった。
仮に①が原因であったとしましょう。
ここで,普通の方は「次は,受働債権が相殺する者から見て債務であることを間違えないようにしよう」と考えます。
これでは,次も間違える確率が高いです。
「次は間違えないようにしよう」と考えて,テキストを何回も読む,過去問を何回も繰り返すのが一般的な対策ですが,それでは合格まで時間がかかります。
では,どうするか。
「思い出し方」を考えるんです。
自働債権と受働債権が対比する概念だということは,大丈夫なはずです。
自働債権については,テキストに以下のような思い出し方が書かれています。
ここから,以下のように思い出すと決めるんです。
受働債権の意味ってなんだっけ?
「⾃働債権」は,相殺する者が「⾃」ら相殺を「働」きかける「債権」だから,自働債権というんだった。
その反対の「受働債権」は,相殺する者から見て債務だ
思い出し方を考えるのが勉強
『司法書士5ヶ月合格法』の本編の冒頭に書きましたが,
「思い出し方を決めて思い出せるようにするのが勉強」
です。
これが,勉強の本質です。
受験回数と修正力は関係ない
合格できる方とできない方の大きな違いは,「修正力」です。
修正力というと,不合格の経験がある方が合格した年に修正した,ということをイメージすると思います。
しかし,受験回数は関係ありません。
1回目だろうが何回目だろうが,普段の学習で「テキストの学習でアウトプットができなかった……」「過去問学習で正誤を間違えた……」など失敗ばかりします。
このとき,「テキストを何回も読もう」「過去問を何回も繰り返そう」では,ほとんど修正していないことになります。
「次は間違えないようにどう思い出すか」を考え,その思い出し方(思考過程)を再現できるようにすることが,修正です。
松本 雅典