しかし,テキストを使い始めると,実は利便性が重要だったと気づく方が多いと思います。
こんな経験はありませんか?
「この知識は,テキストのここら辺にあったのは記憶しているんだけど,小見出しなどの項目立てが少なく文章がダラダラ書かれているため,見つけるのに時間がかかってしまった」
「調べたい知識があり,テキストの該当箇所を探そうと思ったが,索引がなく見つけるのに時間がかかってしまった」
司法書士試験は記憶すべき知識量が膨大であるため,時間の浪費は避けたいところです。
また,テキストの該当箇所が見つからないとイライラして,勉強がイヤになってしまうこともあります。
そこで,重要となってくるのが,テキストの「項目立て」と「索引の充実度」です。
また,小見出しが太字やゴシック体になっていたほうが,より利便性が高くなります。
テキストの見本をご覧になるときは, 「1ページにつき最低でも2つは小見出しがあるか」(※)と「小見出しが太字やゴシック体になっているか」を確認してください。
※すべてのページにある必要はありません。大体のページに2つ以上小見出しがあるかを確認してください。
- 小見出しが最後の行にきていないか
小見出しが最後の行にあると,学習効率が落ちます。
よく言われることですが,見出しや小見出しに従って知識を整理していくことは重要です。
「わかる」の語源は「分ける」だと言われています。
分けることができれば,ある程度わかっている(理解できている)といえます。
たとえば,歴史の学習で,「これは何時代のこと」「これは何時代のこと」と正確に分けられれば,ある程度わかっているといえます。
法律も同じです。
本試験で,「これは見たことあるんだけど,どっちだったっけな~」となりませんでしたか。
分けられていなかったことが原因です。
そこで,見出しや小見出しに従って知識を整理することが重要となります。
そのとき,小見出しが最後の行にあると,その小見出しの話である印象が弱くなってしまいます(見出し〔章名など〕が最後の行にあることはさすがにないと思いますが)。
小見出しが最後の行にないかは,テキストの作成者が上記のことを意識しているかだけで決まります。
なぜなら,小見出しを最後の行にしないためには,1ページ1ページをチェックする必要はなく,データの設定をすれば自動的に最後の行に小見出しがこなくなるからです。
索引の充実度
索引も重要です。
そのテキストを使い続ければ,直前期には索引なしで該当箇所を発見できるようになりますが,最初のうちは初めて使うテキストですから,どんな方であっても該当箇所を見つけるのが大変です。
条文索引と判例・先例索引はもちろんですが,できれば事項索引も欲しいところです。
事項索引は用語のセレクトに時間がかかりますが,条文索引と判例・先例索引はすぐに作れるのです。
『Realistic Text』の場合,1つのテキストの条文索引と判例・先例索引は,半日くらいで作っています(それをチェックする時間も含めると,もう少しかかりますが)。
といっても,私が作っているのではなく,辰已法律研究所さんのスタッフの方に作っていただいているのですが(いつも本当にありがとうございます)。
たとえば,アルバイトの方に作業を依頼しても,予備校の費用としては10,000円もかかりません。
そういう経費を惜しんでいるかどうかが,受講生の方に対する予備校の姿勢が如実に現れるところです。
なお,もちろん,リアリスティック一発合格松本基礎講座で使用している『Realistic Text』は,項目立てはかなり気を使っていますし,小見出しが最後の行にきていませんし,条文索引,判例・先例索引および事項索引があります(事項索引に掲載する用語は,私自身が全科目セレクトしています)。
ここまで書いて,『Realistic Text』になければ,なかなかすごいオチになりますから。
※民法Ⅰ・Ⅱ,不動産登記法Ⅰは平成28年度向けのテキスト,それ以外はすべて平成27年度向けのテキストです。