答練シーズンですね。
土日から答練が始まった予備校も多いかと思います。
答練・模試になると,どうしても未出の知識に目がいってしまいます。
基本がしっかりしている人は,その未出の知識を入れてもいいんですが,基本知識に不安がある人は入れている場合ではありません。
1つの試金石として,以下の問に答えてみて下さい。
(問)
登記識別情報が通知される要件を挙げて下さい。
(なお,消極的要件については考慮することを要しません。)
(答え)
(要件①)申請人自らが
(要件②)登記名義人となる
どのテキストにも載っているかなり基本的な条文知識です。
(不登法21条本文)
登記官は、その登記をすることによって①申請人自らが ②登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。
基本知識ですが,この2つの要件を思い出せるだけで,平成23年度の午後(択一)の12問目が解けます。
(平成23年度・午後)
第12問 登記識別情報に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ウ AからBへの所有権の移転の登記が抹消された場合には,Aに対し,新たに登記識別情報が通知される。
エ 一の申請情報により,A所有の1筆の土地を要役地とし,B所有の2筆の土地を承役地とする地役権の設定の登記の申請がされ,当該登記が完了した場合には,Aに対し,2個の登記識別情報が通知される。
(ウ)
抹消登記においては登記名義人となる者がいないため,上記の②の要件に該当せず,登記識別情報は通知されません。
(エ)
同様に,②の要件に該当しません。
承役地に登記されるのは,登記名義人ではなく,要役地です。
よって,誤りである2つの選択肢が判ります。
なお,これは検索先の一元化でもあります。
上記のウやエの肢は,1度解けば十分です。
あとは,2つの要件を正確に思い出せるようになれば,どう聞かれても解けます。
だから,アウトプット教材の中心をカコ問ではなく,テキストにするのがベストな選択肢なのです。
ちなみに,エの知識は,平成22年度第16問のウでも問われています。
2年連続で同じ知識が出ないというのは,もちろん嘘です。
他にも2年連続出ている知識はあります(3年連続出ている知識も1つですがあります)。
よって,普通に前年のカコ問もこなして下さい。
上記の2つの要件を思い出せなかった方は,答練の未出の知識を拾っている場合ではありません。
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