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先日,不動産登記法の登記記録問題の解き方という記事を書き,農地法所定の許可書の話が出てきたので,農地法所定の許可書の話を使って,テキストの思い出し方をご説明します。
みなさんのテキストにも,以下のような表があるでしょうか?
※表の右の③,⑪が,昨年の先例変更で変わった箇所なので,ご注意下さい。
こんなもの,1個1個記憶していったら,頭がおかしくなりますし,いつになったら受験勉強が終わるんだって話になります。
ということで,共通する視点で見ましょう(共通する視点については,『予備校講師が独学者のために書いた 司法書士 5ヶ月合格法』
のP208~211に説明が書かれていますので,そこを開いて下さい)。
判断基準(共通する視点)をご説明します。
①③について
たとえば,③に当たるのが「持分放棄」です。
「共有者の1人が持分を放棄したら他の共有者にその持分が移転する」というのは,民法255条に書いています。
民法は,国が作った法律です。
私人ではなく,国が法律で「移転する」と決めたんですから,農地法所定の許可なんて不要です。
実は,①も理由は同じです。
「相続人が,農業なんてヤル気のないギャル男だったらどうするんだ!」と思うかもしれませんが,相続が開始すると,相続人に権利義務が移転するということは,民法896条という“法律”に書かれています。
ただし,ここでは,相続登記と同視できる遺産分割や遺留分減殺なども含まれます。
ここで,もう一つポイントを。
この「相続登記と同視できる」は,けっこう広いです(←これ,すごく重要です。みなさんのテキストの上記の判断基準が書かれた箇所に,目立つ色で書き込んでおいて下さい)。
上のテキストのふき出しの下の問題をご覧下さい。
会社分割も,「相続登記と同視できる」に含まれます。
これに対して,会社分割が,相続や合併と別に扱われる登記って,ありましたよね?
所有権保存の登記における,申請適格です。
不動産登記法74条1項1号後段の「その他の一般承継人」に分割会社は含まれません。
こっちは,狭いんです。
このように,会社分割が,「けっこう広い」か「狭い」かの判断基準になりますので,これを問題形式にしています(会社分割が農地法所定の許可書が不要なら,合併も当然に不要となります)。
②について
裁判所の手続を経ていれば,裁判所がちゃんと農業をやる人間かを確認しているからOKということです(ex.民法958条の3の審判による特別縁故者への分与,審判・調停による財産分与)。
④について
農業をちゃんとやるかどうかが問題なので,使用収益をしない権利(ex.抵当権,根抵当権)は,放っておいて下さい。
これらの判断基準(共通する視点)で貫けないものがいくつかありますので,それは個別に理由付きで記憶します。
こういう思い出し方の提供を行うのが,私の講義であり,予備校の講義であります。
ただ,出題ランクを言ったり,理由などを説明したりするだけの講義は(それさえせず,テキストを読むだけの講義もありますが),学校の授業です(ほとんどの予備校の講義がこちらに当たります)。
【近日開催ガイダンス】
※詳細は,以下の記事をご覧下さい。
「すべての受験生は“独学”である」のガイダンスを全国で行います
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9/11(水)19:00~20:00 紀伊國屋・新宿店
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以下のページから,ガイダンス及び民法第1回・不動産登記法第1回の講義をご視聴できます(特に,勉強法の4・5回目,体験講義の6~9回目,本講義の民法第1回・不動産登記法第1回をご覧下さい)。
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