例年にない傾向
中上級者の方で私の基礎講座を受講される方が,(受講生の方の数は公表していないので数を申し上げられないのですが)今年は例年になく多いです。
平成29年度の午前択一で,基礎的な問題を落としてしまった中上級者の方が多く,基礎から理解・記憶を網羅的に行う(漏れをなくす)必要性を感じた方が多いからだと思います。
たとえば,最も正答率の悪かった第2問(財政。29.7%)も,基礎講座では,すべての肢が講義で下線を引いて意識的に記憶していただく箇所です。
理由も,ほとんどの知識について説明されます。
他の予備校さんの受講生の方の数は,一部の講座のおおよその数しかわかりません。
よって,勝手な推測になりますが,他の予備校さんでも同じ現象が起きており,平成30年度向けは「基礎講座ブームの年度(基礎講座の受講生の方の割合が例年になく多い年度)」になるのではないかと考えています。
注意点
しかし,注意していただきたい点があります。
もちろん,以下のことを考えている方も多いと思いますが,最初の方針が大事なので,ご確認ください。
「基礎講座を受ければ解決」ではない
上記のような傾向がありますが,「基礎講座を受ける=基礎から理解・記憶を網羅的に行える」とは限りません。
たしかに,基礎講座の講義回数は多いので,網羅的に説明される傾向にあります。
ですが,理由付けや判断基準まで網羅的に説明されるかは,講座とテキストによります。
必ず事前に,無料で視聴できる講義をすべて視聴し,テキストも確認してください。
中上級講座というと,表で効率良く知識を記憶していくイメージが強いですが,通常の基礎講座よりも理由付けや判断基準がしっかりしている中上級講座もあります。
「基礎講座のほうが,基礎から理解・記憶を網羅的に行える」とは単純にいえません。
講師とテキストで大きく変わるので,「基礎講座だからいっか」と決めるのではなく,きちんと見定めてください。
もう少し細かい未出知識が必要になる可能性がある
午前択一の基準点が25問と低かったので,予想が難しくなりましたが,今年度の本試験直後は「平成30年度はもう少し細かい未出知識が必要になる(もう少し細かい未出知識がないと選択肢を1つまで絞れなくなる)」と考えていました。
私は,午前択一の基準点はもっと高くなると思っていたので,平成30年度は基準点を下げるため,未出知識を増やすと考えていたからです。
予想が難しいですが,「今年度の午前択一で合格点が取れるのと同程度の知識で,平成30年度の午前択一で合格点が取れる」と考えるのは危険だと思います。
よって,本当に基礎的なことしか扱わない(過去問が解けるだけのレベルの)基礎講座だと危険です。
ある程度の未出知識対策がされている基礎講座,中上級講座を選ぶことをお薦めします。
松本 雅典