どの予備校も,答練・模試の宣伝文句として「全問新作」をかかげます。
各予備校の方への提案です。
「全問新作」はやめませんか?
受験生の方は,「えっ,全問新作のほうがいいに決まっているじゃん」と思った方もいるでしょう。
私は,そうは思いません。
以下の答練・模試が理想的だと考えています。
「新作は2割・8割はリニューアル」
「全問新作」の良さそうな点は,以下の2点でしょう。
1.予備校がゼロから答練・模試を作った感じがする
2.前年度以前にその予備校の答練・模試を受けたことがあっても再度受ける気になる
この2点を検証していきます。

1.新作問題なら「予備校がゼロから答練・模試を作りこんだ感じがする」

新作問題はゼロから問題を作りますので,たしかに,作成費用や労力がかかっています。
しかし,受験生の方が答練・模試に求めることは「予備校が費用や労力をかけたこと」ですか?
作成費用や労力ではなく,問題の質なはずです。
質を考えると,新作問題には不安があります。
どんな優秀な作成者でも,問題を作れば間違いは出ます。
また,問題の精度(本試験に近いという意味)も,「作った瞬間にいきなりバッチリ」というのは,困難です。
つまり,誤植を少なくする,精度を高めるという意味でも,新作問題には不安があります。
それよりも,過去の答練・模試で出題した問題を再度チェックする,精度を高めるというほうが容易です。
また,過去に出題していますので,受講生の方がどの選択肢を選んだかのデータもあります。
それを参考に微調整することもできます。
問題の質という意味では,リニューアルのほうがよいことを理解していただけたと思います。
そうすると,次の疑問が出てくるでしょう。
「前にその予備校の答練・模試を受けたことがあるから,受ける気にならない」

2.新作問題なら「前年度以前にその予備校の答練・模試を受けたことがあっても再度受ける気になる」

前年度の問題なら記憶しているかもしれませんが,2年前に受けた答練・模試の問題を記憶していますか?
普通は記憶していないでしょう。
肢や問題の並びを変えればまず気づきません。
さらに,リニューアルもします。
よって,「2年以上前の問題をリニューアルして使う」という方針なら,この2も考える必要がないでしょう。

2割は新作問題を入れる

ただし,傾向の変化(ex.添付情報を記号で問う〔平成25年度〕)や,答練・模試に要求される「出題予想」の要素もありますので,2割程度は新作問題を入れてください。

「新作は2割・8割はリニューアル」のメリット

費用がかさみ益の少ない新作問題の作成作業を大幅に減らすことにより,答練・模試の作成費用が減ります。
それは,受講料という形で受講生の方に還元できます。

また,答練・模試の作成に回すスタッフが減りますので,講義系の講座のテキストの校正などに人を割くことができるようになり,誤植の少ないテキストを提供することができるようになります。
「この講座のテキストは誤植が少ないです」とは宣伝できませんが,今後は「質」が重要になる時代になります。
SNSが発展した(口コミが広がる速度がほぼ一瞬になった)現代において,「受講料を払ってもらうまでがお客様」という発想では,質の低下は見破られ,その講座は見放されるでしょう。
司法書士試験の受験界はまだここまできていませんが,SNSによる口コミの即時性に飲み込まれるのにそれほどの時間はかからないと思います。

各予備校に期待しています

平成27年度向けの答練・模試の作成方針を変えることはもう不可能でしょうが,平成28年度向けの答練・模試の宣伝文句を期待しています。

「新作は2割・8割はリニューアル」
「えっ?」と受験生の方は思うでしょう。
しかし,それはパンフレットやHPで趣旨(質の向上)を説明すればいいのです。
説得力のある説明ができていれば,「全問新作」という時代遅れの宣伝文句を謳っている予備校に勝つことができるでしょう。
平成28年度向けの答練・模試で「新作は2割・8割はリニューアル」とした予備校がありましたら,このブログで紹介させていただきます。
全予備校を批判してしまいました…。
まあ予備校や講師は自身のブラッシュアップを求めているため批判されるのが大好きですし(誹謗中傷はまったく別です),この国は言いたいことが言える権利が保障されていますので(表現の自由←何でもではありません),問題ないでしょう。
この記事に対する反論も,お待ちしています。
 

 
松本 雅典
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