以下の記事に引き続き,私の基礎講座出身の方の合格体験記(掲載許可をいただいた方のもの)を掲載していきます。
1.受講開始後,短期間で合格(平成27年度司法書士試験)
2.法律の学習経験なしから20か月で短期合格(平成27年度司法書士試験合格体験記)
3. 諦めそうになったところから合格へ(平成27年度司法書士試験合格体験記)
藤田さんは本試験後,「リアリスティック講座を受講してから,択一を考えて解けるようになれた」とおっしゃっていました。
知識が多くなっている方に「理解」が加わると,一気に点数が上がります。
受験経験のある方でも,基本に不安のある方は,基本の理解が進む講座が有効です。
「基礎講座」という名称が付いていないといけないわけではありませんが,全範囲をまんべんなく理解させてくれる講座を最後の年に受講して合格するのは,合格の1つの「黄金パターン」です。
目次
藤田 和也 様
(1)はじめに
1年目から3年目までは他校で受講していましたが基準点も超えることができませんでした。
特に3年目は,結構自信があったのに基準点を超えることができず,大きなショックを受けました。
どうしようかと悩んでいたところ,松本講師の書籍やブログを拝見し,この人にかけてみようと思い,受講しました。
(2)私のとった勉強方法
中上級者は,すぐに勉強を再開した方がいいとよく言われますが,僕は1ヶ月くらい慎重に色々なものに触れて考慮すべきだと思います。
(3)僕の採用した勉強法
前提として,僕は前年までの勉強は蓄積すべきだと思います。
特に3年目以降の方は論点によっては自分なりの解き方が定まっていると思われます。
それは無理にかえようとせず,あくまで上乗せすることを意識しました。
(4)インプット
とにかく,この試験で一番大事なのはインプットだと思います。
これは,講座を受講するだけでは足りません。
それだけで何とかなるのであれば,あの合格率にはならないと思います。
一番効率が良いと思うのは,講師のやっていた授業を自分なりにアレンジして講義をやることだと思います。
ただ,時間がかかります。そこで,松本講師が提案しているテキストでインプットという作業を行いました。
(5)アウトプット
1年目は初級者ですのでアウトプット要素がありますが,2年目以降は過去問は一通りはやったことがあるはずですので(やっていない方は,論外だと思います),アウトプットの要素が低くなると思います。
過去問はあくまでも知識の確認のツール(インプットの一部)だと思って勉強してました。
過去の答練や科目別答練,問題集なども過去問と同じように扱いました。
あくまでテキストに載っていることがわかっているかの確認ですのでちゃんとテキストに戻ることを意識的にしました。
本番と同じような状況で行うことによって,ようやくアウトプットの意味が出てくると思うからです。
そして,アウトプットで浮き彫りになったものとちゃんと向き合うことが重要だと思います。
それは,点数よりも何故間違えたのか・どうすれば改善されるか等を考える方が重要かつ着実に本試験につながると思うからです。
学説問題は,特に現場で考える練習もやった方が良いと思うからです。
得意な方は特に対策しなくても良いと思いますが,苦手・正解できない方は,対策講座を受講しても良いと思います。
ただし,ちゃんと解き方を解説しているものを受講した方が良いと思います。
学説問題に対する知識はある程度で十分だと思います。
(6)本試験を受けるうえで考えたこと(心理的な部分)
この試験は,結構心理的な部分の影響が大きいと思います。
単純ではありますが重要なことです。
そのうえで,解き方やわからない問題が出題された場合の対処法などあらかじめ考えておくだけでも違います。
ガッツポーズや鼻で笑うなども有効だと思います。
あまり,オーバーなものは逆効果ですが,ある程度ならいいと思います。
司法書士試験の模試は,どの予備校も本試験と同じような時間で行うのが通常ですので,本試験と同じように受けるべきだと思います。
前入りするかどうか・何時に起きるのか・何を食べるのか・何時に会場入りするか・試験開始前はどうするか・午前の試験が終了したらどうするか等どうでもよさそうなことですが,いつもと同じようにすることによって結構安心します。
ですので,時間がもったいないと思う方もいるかもしれませんが,僕は,午前が終わったら午前の科目のことは考えないようにしていました。
解説をみるのは論外です。
とにかく本試験と同じようにすることを意識しないとアウトプットの意味がないのでそこは意識した方が良いと思います。
特に本試験会場と同じ場所で模試を受けることができる方は,意識すべきだと思います。
(7)本試験形式の問題の解き方(午前)
ただ,重要なことは,慣れている解けそうな問題から解くのが重要なのでそこは柔軟に対応していくべきだと思います。
午前はとにかく時間的余裕があるので時間をかけるようにしました。
全肢を検討する・肢ごと◎○△×の4つのパターンにわける・わからなければいったん飛ばす(飛ばす際には問題の横に☆を書く)・答えが出たら問題の横の答えの番号を書く・1週回したら☆の問題をもう一度検討する・全問できたら○×の確認を全肢にする・最後に10分くらいでマークシートに記入するという方法を採用しました。
肢を見直しする(正誤の内容の確認する)時間はとりませんでした。
僕は見直しの時間をとっても答えを変えることはないですし,ファーストインプレッションをある程度信じたいという思いがあるので,必要ないと思いそうしました。
(8)本試験形式の問題の解き方(午後)
僕の場合は,午後の解き方と午前の解き方は大きく変えました。
やはり午後は時間がないのでなるべく時間を短縮できるようにしました。
まず,順番は1問目から35問目まで順番通りに解きました。
基本的には全肢検討をしますが,時間をかけないことを意識し,選択肢も徹底的に意識して解答を絞って答えを出す,わからなければ適当な番号に決定し,マークシートに記載するという方法を採用しました。
時間的には長くても60分以内に終われるように意識していました。
記述に関しては,択一がすべて終わった後に解くようにしていました。
時間配分的には,商業登記が苦手なので,不動産登記法:55分(最短50分)・商業登記法:65分(最大70分)で解くように意識しました。
(9)本試験当日(午前)
僕の場合は,前述したとおり模試と同じように過ごしました。
解き方も模試で実行したようにゆっくり解いていきました。
わかりやすい問題が多かったですが,クセのある問題(地方自治・選択債権・商法など)をよく検討して解いたら時間的にはいつも通りの感じになりました。
前年までは暇な時間が生じていたのですが,それがなくなったので考えておいた成果が出たなぁと思いました。
解き終わって正直に思ったことは,可もなく不可もなくと思いました。
(10)本試験当日(休憩中)
模試で考えていたものは,近くの公園に行きのんびりしようと決め,模試では実際にそうしていました。
会場内は,午前の情報が耳に入ることや,雰囲気が嫌だったので外に出ようということは決めていました。
しかし,本試験当日は雨で雨をしのげる公園ではなかったため変更せざるを得ませんでした。
ただ,その通り道にあった休憩スペースで雨宿りできる場所を発見できたのでそこで時間を過ごしながら軽食をとっていました。
勉強は,ひな形を軽く見る程度でほとんど何もしていませんでした。
(11)本試験当日(午後)
各予備校が今年は民訴が難しくなると予想していたこともあり,そこを強く意識していたのですが,オーソドックスな問題でホッとしました。
その後の不動産登記法に入ると解きにくさはあるものの解けないレベルではないため計画通りに解けました。
しかし,商業登記法に入ると結構難しい問題が出ていたためあまり時間をかけずに処理しました。
常に意識してやっていたおかげで開始から55分経つ前くらいに終わりました。
不動産登記法の記述に入ると難しさはさほど感じなかったのですが,慎重に考えてしまい,時間を使いすぎてしまって,わかっている部分を書き終えたときには,65分経過してしまいました。
やはり時間はとにかくこまめにチェックすべきだなぁと思いつつ,仕方ないと思って一部を空欄にして商業登記法の記述に入りました。
時間が足りなそうだとういことは別紙等を読んでいてもわかったのでとにかく書こうと思って書いていたのですが,途中で役員図が気になって慎重にチェックしたら間違えていたのに気づき,「もうだめか」と思ったのですが,でもまだ時間があるから粘れるだけ粘ろうと思い修正をしてちゃんと考えながら解くことに意識して解きました。
2件目にも入れたのですが,とにかく時間のかかる申請が多いということで書けそうなところを書いていき,途中で試験が終了してしまいました。
記述に関しては不安しか残らない出来でした。
(12)最後に
頑張っている(当たり前のことを当たり前にやる)だけではなく,努力(一般的な方からすれば変態じみたこと―例えば,就寝前に会社法の条文を読む・常に勉強している状況を作る等)をしなければ合格はできませんが,それを継続していけば合格はできるのだと思いました。
それは,本試験の問題との相性もそうですし,記述の採点方法もそうです。
そして,何より勉強段階での運が1番重要なのかなぁと思います。
特に講師との相性によって合否を分けた方も多いと僕は思います。
本当に信用できる講師を見つけ,その講師についていき,自分自身もちゃんと努力をすれば合格はかなり近づくと思います。