やはりこの時期になると,「模試でこんな問題が出ました。テキストに載っていないと思うんですが,どうすればいいですか?」といったご相談が増えてきます。

実は「その問題の3/5肢はP○○,P○○,P○○にありますよ」となることが多いのですが,答練・模試なので1/5肢しかテキストに載っていないといったこともあります。

 

では,それが必要かですが,平成29年度の問題を思い出してください。

平成29年度の午前択一は,正答率50%以上の問題を正解すると,29/35問正解できました。

基準点プラスαの点数が取れなかった原因は,「細かい知識を知らなかったから」では決してなく,「ほとんどのテキストに載っている知識(場合によっては過去問知識)を落としたから」です。

 

1つ問題を挙げます。

正答率63.1%の問題ですが,これくらいの正答率の問題を落とすかどうかが,合格者の方と不合格者の方の分岐点です。

 

 

第26問 横領罪等に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは,後記1から5までのうち,どれか。

 

ア Aは,動産甲をBと共同占有していたところ,Bの占有を奪ってAの単独の占有に移した。この場合,Aには,横領罪が成立する。

イ Aは,A所有の乙不動産をBに売却し,Bから代金を受け取ったが,登記簿上の所有名義がAに残っていたことを奇貨として,乙不動産について,更にCに売却し,Cへの所有権の移転の登記を行った。この場合,Aには,横領罪が成立する。

ウ Aは,その自宅の郵便受けに誤って配達されたB宛ての郵便物がB宛てのものであることを知りながら,その中に入っていた動産甲を自分のものとした。この場合,Aには,遺失物等横領罪が成立する。

エ Aは,Bと共有している乙不動産についてBから依頼を受けて売却し,その代金を受領してAが単独で占有していたところ,これを自分のものとした。この場合,Aには,横領罪が成立する。

オ Aは,A所有の乙不動産について,Bのために根抵当権を設定したが,その登記がされていなかったことを奇貨として,更にCのために根抵当権を設定し,その登記を行った。この場合,Aには,横領罪が成立する。

 

1 アイ     2 アオ     3 イエ     4 ウエ     5 ウオ

 

(答え:2)

 

 

ウ以外は,どのテキストにも載っています。

『Realistic Text 刑法』だと,ウの判例も載っていますが。

もちろん,平成29年度向けのテキストです(P165)。

『リアリスティック民法』『リアリスティック不動産登記法』『Realistic Text』は,少し情報量が多めなので。

正答率29.7%の第2問も全肢載せているテキストですから(もちろん平成29年度向けで)。

「もう少し減らして」というご指摘も頂きますが,ギリギリだと取りこぼしができなくなります。

よって,受験生の方の負担が少し増しますが,情報量を少し多めにしています。

 

この問題についてさらに言うと,ア・イ・オは過去問です。

 

ア:9-25-ア

イ:4-27-ウ

オ:7-25-1

 

つまり,正解番号2の肢(アオ)が過去問なわけです。

 

 

 

これが,平成29年度の本試験でした。

1年近く経過すると本試験がどのようなものかを記憶している方は少ないので,振り返っていただくため,合格するために必要なことを再確認していただくために記事にしました。

 

合格するために必要なことは,本試験の問題の正解を出すことです。

 

 

 

松本 雅典