*この記事の当初の公開日は平成26年7月ですが,以下のとおり変更・追記をしています。

・平成29年5月に追記および一部の表記を変更しました。

・平成29年12月5日に追記しました。

 

 

司法書士試験は過去問だけで合格できるのか?

「司法書士試験は過去問だけで合格できる試験なのか?」ということが気になる方が多いと思いますので,過去問の学習方法のハナシに入る前に,このハナシをします。

 

直近3年分のデータを見てみましょう。
私は毎年本試験が終わると,すべての選択肢とテキスト・過去問との照らし合わせを行います。

 

*以下のデータは,私が不要とした過去問(数は多くないです)は除いています。また,「どこまで一致していれば過去問と同じ知識なのか?」は,調べる人によって少し誤差が出ます。よって,調べ方によって数問の誤差が出る場合があります。

*「(  )」の数字は,基準点(足切り点)です。

 

 

平成26年度 平成27年度 平成28年度
午前択一 8問(26問) 18問(30問) 13問(25問)
午後択一 17問(24問) 19問(24問) 18問(24問)

 

 

調べる人によって少し誤差が出ることを考慮しても,過去問だけでは基準点(足切り点)を突破できないことがおわかりいただけると思います。

 

ただし,過去問を完璧にした人の正解数は,上記の表よりも高くなると思われます。

過去問を完璧にするうえで,純粋に過去問知識だけしか習得しないということはありません。

周辺知識も習得します。

また,上記の表は「過去問だけで正解1つに絞れるか」という数字です。

「過去問だけで2つまで絞れる問題」などもあります。

2つまで絞れる問題は50%の確率で正解できます。

よって,通常は上記の表から4~5問は正解数が上がります。

 

しかし,その点を考慮しても,「過去問だけでは基準点(足切り点)に数問届かない(少なくとも午前択一または午後択一の片方が届かない)」というのが現実です。

テキストなどで過去問「プラスα」の知識を習得する必要があります。

 

 

最高の過去問の学習方法

とはいっても,過去問知識だけで上記の表の問題数は(実際はさらにプラスで)得点できるわけですから,最も大事な問題が過去問であることに変わりはありません。

 

では,どうすれば過去問知識を習得できるでしょうか。

単に「何回も解く」というだけでは,習得できません。

単に何回も解くだけでは,本試験で「過去問集ではできていたが,形を変えて出題されたので判断を間違えた」という選択肢がいくつも出てきてしまいます。

 

そうならないために,「選択肢ごとに理由を言えるレベルにする」「解説の内容まで言えるレベルにする」といった方法が薦められるのが一般的です。

 

しかし,私がお薦めする方法は違います。

難しい方法ではありません。

 

みなさんは,過去問を解く際に,「ご自身がポイントと思われる箇所(ex.『過失がある』)」に下線を引きますよね?(引いていない方は,これからは引くようにしてください)。

 

そのご自身が下線を引かれた箇所が,講義で講師がテキストに下線を引いた箇所と同じかを確認してください

 

これが,私が現在考える「最高の過去問学習方法」です。

すごく単純ですが,これが「単に過去問の正誤を判断しているのではなく,テキストの内容をきちんと思い出せている(=形を変えて出されても応用が効く)」ことの確認となります。

 

もちろん,一字一句は無理ですが,ほとんど同じであれば,テキストの内容をきちんと思い出せていることになります。
下線の箇所が不足していても,多すぎても,ダメです。
下線の箇所が不足していると,ポイントを拾えていないことになります。
下線の箇所が多すぎると,ポイントがわからず手当たり次第に下線を引いていることになります。

 

具体的に,やってみましょう。

以下のテキストおよび過去問の記載は,「他人物売買における売主の担保責任(買主が何をできるか)」(民法561条)のハナシです。

講義で講師が,テキストに以下のように下線を引きます。

*赤が試験に出る箇所,青が理由です。

 

 

 

 

そして,講義終了後に過去問を解きますが,その際に以下のように下線を引きながら解きます。

*(2)の肢をご覧ください。

 

 

 

 

→誤り(悪意でも解除可)

 

 

このように,テキストと同じ箇所に下線を引けていれば,「テキストの内容をきちんと思い出せている」ことになります。

「確実に大丈夫だ(テキストの内容をきちんと思い出せている)」という選択肢以外は,上記の作業を行ってください。

何十回も過去問を繰り返すよりも,上記の作業を2~3回行うほうが,本試験の得点につながります。

 

 

時間対策

■平成29年2月25日にこの項目を追記しました。

 

午後は時間が厳しいので,過去問に限らず,答練・模試・問題集などで午後択一の問題を解くときは,時間対策をする必要があります。

 

私がお勧めしている方法は,以下の動画で解説していますので,ご覧ください。

 

 

 

*該当箇所を頭出ししていますが,上記の動画を再生したことがある方は,その再生記録がお持ちの端末に記録されており,頭出しされないことがあります。その場合は,お手数ですが,「43:40」の箇所に移動してください。

 

【追記終わり】

 

 

時期に応じて使い分ける過去問集

上記のように過去問を解いていただきたいのですが,過去問集にも種類があります。

どの過去問集を使用すればよいでしょうか。

 

過去問集は,以下の3種類に分かれます。

 

1. 分野別過去問集

「意思表示」「代理」など分野ごとに,過去問を1問ごとに(大問単位で)並べたものです。

 

2. 肢別過去問集

上記1.と同じく分野別ではありますが,1問ごと(大問単位)ではなく,肢ごとに並べたものです。

 

3. 年度別過去問集

「平成28年度」「平成27年度」など,年度ごとに区切ったものです。

 

時期に応じて,過去問集を使い分けてください。

 

3月まで:「分野別過去問集」

直前期(4月~6月)に入る前のこの時期は,上記1.の「分野別過去問集」を使用してください。

 

たとえば,以下の過去問集があります。

 

 

 

費用を安く抑えるなら,こちら。

 

 

なお,上記2.の「肢別過去問集」はお薦めしていません。
肢ごとに知識を確認できるというメリットはあるのですが,司法書士試験は組合せ問題がほとんどであり,「組合せ力」を鍛える必要があるので,問題を肢ごとにバラすべきではありません。
もしどうしても肢ごとに知識を確認したくなったら,上記1.の分野別過去問集を使い,「肢ごとに考える」という使い方をすることで代替することもできます。

 

4月~6月(直前期):「年度別過去問集」

直前期といわれるこの時期には,上記3.の「年度別過去問集」も使用してください(なお,直前期にも分野別過去問集を1回は解いてください)。
この時期は,本試験形式の問題を解く(計5時間で択一70問・記述2問を解く)練習をする必要がありますし,時間配分の練習をする必要もあるからです。

 

たとえば,以下の過去問集があります。

 

 

こちらも費用を安く抑えるならこちら。

 

 

 

なお,直近5年くらいの年度別の過去問は,法務省の以下のページから入手することができます。
*択一の解答はありますが,解説および記述の解答はありません。

 

平成29年度司法書士試験問題択一の解答〔PDF〕)

 

平成28年度司法書士試験問題択一の解答〔PDF〕)

 

平成27年度司法書士試験問題択一の解答〔PDF〕)

 

平成26年度司法書士試験問題択一の解答〔PDF〕)

 

平成25年度司法書士試験問題択一の解答〔PDF〕)

 

 

 

松本 雅典