午前第8問が「正しい肢が3肢ある」との見解について(令和3年度司法書士試験)

令和3年度(2021年度)司法書士試験

一部,午前第8問が,「正しいものの組合せ」を選べの問題で,「正しい肢が3肢ある」との見解が述べられています。

イ・ウが正しい肢なのですが,オも正しいのではないかという見解です。

午前第8問・オの肢をみてみましょう。

 

 

【午前第8問・オ】

 

 

 

解除条件付き売買なので,買主Bに所有権が移転しているという見解です。

 

しかし,以下の判例があります。

※辰已法律研究所の教材スタッフの方が知っていた判例です(すごい!)。私は知っていたわけではなく,「何か判例があるのかな?」と判断できませんでした(なので問題冊子に○も×つけられていません)。

 

 

【最判昭35.3.22】

 

 

「二 倉庫に寄託中のハンカチーフ売買契約において、代金を約三日後の午後四時限り支払うべし、右支払のないときは契約は失効する旨の解除条件が付されているときは、特段の事情のない限り、右ハンカチーフの所有権を契約により当然買主に移転するものではないと解するのが相当である。」

 

 

 

この判例の事案が,午前第8問・オだと思います。

 

 

 

 

よって,午前第8問は,オが誤りで,正しい肢はイ・ウの2肢でよいのではないでしょうか。

間違っていたら,申し訳ありません。

ただ,本試験直前に以下の記事に書きましたとおり,やはり,「正しいものの組合せ」を選べの問題では正しい肢は2肢の前提で解いたほうがいいと思います(そうでない問題が4~5年に1問程度ありますが)。

 

 

 

 

 

松本 雅典

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