商業登記(記述)で,間違えたら大減点となる論点があります。
「組織再編と同時に申請できる登記」です。

平成22年度(新設分割による変更の登記と同時に申請することの可否)

平成22年度の論点は新設分割ですが,合否を分けた1つの大きなポイントは,「新設分割株式会社の申請書に,商号変更・役員変更を記載し,商号変更・役員変更の登記を同時に申請することはできない」というものでした。
合格者の多くの方は判断できていました。
松本調べ(私の聞き取り調査)では,合格者の方のうち,この論点を間違えたのは「50人に2人ほど(約4%)」でした。
つまり,この論点を間違えて合格した方はほとんどいないほど,大きな論点でした。

平成24年度(吸収合併による変更の登記と同時に申請することの可否)

上記の平成22年度に対して,平成24年度は,「吸収合併存続株式会社の申請書に,役員変更を記載し,役員変更の登記を同時に申請することができる」という問題でした。

こちらのほうは,平成22年度に比べ,正しく判断できた受験生の方が多かったです(松本調べ)。

どうやって判断するの?

上記の平成22年度と平成24年度の何が異なるのでしょうか。
また,たとえば,「経由申請となる吸収分割の場合に,吸収分割株式会社の申請書に,役員変更を記載し,役員変更の登記を同時に申請することができるか?」と聞かれて答えられるでしょうか。
「吸収分割承継株式会社の申請書」であったらどうでしょうか。
平成22年度は,「商号変更・役員変更も同じ申請書に記載できるか」の論点について,多くの講師が「できないに決まっているじゃないですか」「実務感覚があれば書きませんよ」などと言いました。
どう思いますか。
この講師の発言に「うんうん」と思った方は,この後の記載をお読みになる必要はありません。
しかし,私が講義やガイダンスをしている限り,中上級者の方であってもそんな方はほとんどいません。
「組織再編と同時に申請できる登記の判断基準」を記載した書籍がないことが原因でしょう(私は司法書士試験対策の書籍では見たことがありませんが,どこかに判断基準を記載した書籍があった場合は申し訳ありません)。
 
そこで,新刊に書きました。

横断的に使える判断基準を1行で書きました。
それだけだとわかりにくいので,2ページにわたって具体例に判断基準を当てはめた説明をしています。
「当たり前の基準だ」と言われればそれまでですが,私は受験生の方にとっては当たり前になっていないと思っています。
 
余談ですが,新刊の発売前の時期には,司法試験の受験界で,岡口裁判官の『要件事実入門』が話題になっていました。

それまで受験生の方が疑問に思っていたことに答えている箇所が何点も記載されているのです。
「真似をした」というと,「お前ごときが」と司法試験界から石が飛んできそうですが,少しだけ同じようなことがしたいなと思いました。
もちろん,天と地ほどの差がありますが。
「組織再編と同時に申請できる登記の判断」に自信がない方(この記事で出てきた問題に即答できなかった方)は,必ず新刊に書かれている判断基準を記憶してください。
これだけで不合格になる可能性もあります。ほんとに。
 

松本 雅典


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