記述の予想基準点のアンケートをしなくなった理由

平成28年度(2016年度)司法書士試験
かつては,以下のように,受験生の方に「記述の基準点は,何点だと思いますか?」といったアンケートを取らせていただいていました。
記述の基準点予想(平成25年度司法書士試験) 
平成25年度は「2303人」の方に投票いただくなど,どの予備校のデータリサーチ数よりも多い年度もありました(クリックするだけですので,データリサーチよりも入力しやすいのですが)。
そのおかげで,かつてはかなりの精度でした(ズレても0.5点~1.0点)。
しかし,平成27年度以降は行っていません。
その理由ですが,「平成26年度は明らかに得点調整がされた」と私が考えたからです。
もちろん,私の推測ではありますが,平成26年度の記述の基準点「37.5点」という数字は高すぎます。
たとえば,平成27年度と比べてみます。
平成27年度の記述の基準点は,「36.5点」です。
このブログを書いている私の横に,平成26年度の開示請求答案が約140通,平成27年度の開示請求答案が約170通あります。
見比べると,どう考えても平成27年度の答案の出来のほうがいいです。
平成26年度は,不動産登記(記述)の枠ズレが多発しています。
商業登記(記述)も,平成26年度は途中答案が多いですが,平成27年度は少ないです。
平成27年度の(おそらくほとんどの予備校が気づいていない)地雷(※)を考慮しても,出来が全然違います。
※平成28年度は関係ないはずですので,ご安心ください。
ですが,平成27年度の基準点のほうが低いです。
普通に採点すると, 平成26年度の基準点は,30点前後(場合によってはそれ以下)になったと思われます。
平成26年度の「37.5点」は,「基準点を35.0点~42.0点の間に収まるよう得点調整をした結果,37.5点になっちゃった」のだと思われます。
よって,現在では「昨年度よりも難しいから,基準点が少し下がる」といった予想は,誤っていると思います。
ただ,この予想をしている理由として,「昨年度よりもほんの少し難しくなっただけで(←私の考えではありません),得点調整の必要はないから,基準点が少し下がる」ということまで考えているのであれば,筋が通っています。

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松本 雅典

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