目次
講義スタイルの種類
講義スタイルは、いくつかあります。
・トーク中心形式
・書き込み形式
・板書形式
・電子黒板形式
・パワーポイント中心形式
など
私たち講師は、「どの形式が最も講義内容が伝わるか?」「合格に1番役に立つか?」を常に考えています。
なので、他の先生などとお話する際は、「〇〇社の〇〇のソフトの機能すごいよ」といった話を頻繁にします。
私がベストだと考える基礎講座の講義スタイル
毎年、リアリスティック一発合格松本基礎講座(以下「リアリ基礎講座」といいます)の合格者の方にも講義スタイルについてお聞きしますが、合格者の方のお話からも、「基礎講座は書き込み形式がベスト」というのが現時点での考えです。
*ごく一部ではありますが、板書のほうがわかりやすく説明できる場合は板書をすることもあります。
私が担当しているリアリ基礎講座は、後記の画像・動画のようにテキストを1枚1枚画面に写し、以下の4色で書き込みをしながら講義を進めていくスタイルにしています。
・赤:結論〔記憶する箇所〕
・青:理由・趣旨
・緑:複数の知識に関係〔記憶する箇所〕
・黒:試験に出ない具体例、実務の話など
基礎講座は書き込み形式がベストであると考えているのは、以下の理由によります。
理由
理由①「講義内容を残せる」
講義の1番の問題点であり、私たち講師が常に悩んでいるのが、「講義を聴いた時は理解できたけど、後で思い出せない」ということです。
みなさんも、テレビやYouTubeで何かを観たときに「そうなんだ!」とその時は理解できても、後でほとんど思い出せないといった経験があるかと思います。
テレビやYouTubeはエンタメなのでそれでも構わないのですが、講義は合格してもらう必要があるのでそれではまずいです。
そこで、講義の説明の中核部分を「書き込み」という形で残しておくことで、後で思い出しやすくなります。
理由②「講義終了後の教材を均一にする」
トーク中心形式だと、「講義を聴くのが上手い人」(=優秀な人)だけが成果を得られる講義になってしまいます。
トーク中心形式の講義は、聴くのが上手いか下手かで、成果がまるで違います。
「東大生のノートは、ポイントがキレイにまとまっている」と聞いたことがありますよね。
私自身について申し上げると、私は講義を聴くのが下手でした。
学生時代、「自分でポイントを考えてメモを取る」なんてことはできませんでした。
しかし、書き込み形式であれば、講義終了時点の教材は全受講生の方が均一になります。
理由③「後でテキストを回しやすい」
記憶するには、教材を回すことが重要です。
私の基礎講座の場合、以下の1~4だけで話がつながるように書き込みをしているので、受講後は、時間のない社会人の方や速く回すことが求められる直前期(4月~6月)は、以下の1~4だけを回すことが可能になります。
1.見出し・小見出し
2.下線を引いた箇所
3.書き込み
4.図
リアリ基礎講座の一発合格者の方ですと、最初の復習の時から上記1~4しか回さずにテキストを50回回した強者(YouTubeの対談動画)もいました(これはすごすぎる方です)。
理由④「集中力を維持しやすい」
単に話を聴いているだけだと、どうしても集中力が落ちてしまいます(スティーブ・ジョブズ並の名演説でもない限り)。
たとえば、YouTubeを観ていて、集中力が落ちて何の話かわからなくなって、他の動画を観てしまったり他のことを始めてしまったりした経験はありませんか。
そこで、「書き込んで手を動かす」という能動的な動作を入れることで、集中力を維持できるようになります。
たとえば、仕事・家事・育児ワンオペで1年半合格を果たされたリアリ基礎講座出身の合格者の方(YouTubeの対談動画)。
お子さんを21時頃に寝かしつけてから3時間の講義を視聴していたそうです。
当然眠いのですが、書き込んで手を動かすことをする講義だったので、眠らずに講義を聴ききれたそうです。
ただ、書き込みばかりになってしまうと、単なる作業になってしまい、まずいです。
そこで、講師が、書き込みをしていただく時間と説明を聴いていただく時間の設定を上手くする必要があります。
私の場合は、受講生の方が書き込みをしている間も話してはいるのですが、大事な話は受講生の方が書き込みを終わった後から始めています。
基準は、LIVEの受講生の方です。
LIVEの受講生のほとんどの方が書き込みを終えてから大事な話を始めています。
受講生の方が書き込みをしている間に私が話していることは、聞き逃しても大丈夫です。
理由⑤「合格者の方」
講義スタイルについては、「より良いものがないか?」と毎年検討はするのですが、書き込み形式を大きく変えないのは、リアリ基礎講座の合格者の方が1番の要因です。
辰已法律研究所の講座出身の合格者の方の合格体験記・合格者インタビューは、以下のページにまとまっているのでご覧いただきたいのですが、ほとんど全員の方が「書き込み形式が良かった」、人によっては「この講義スタイル以外の講義は受けられなくなりました」とおっしゃいます。
以上、講義スタイルについて考察をしてきましたが、講師として関心の強い問題なので、こうやって文章にして考えてみると、自分自身、新たな発見がありますし、何より楽しいですね。
松本 雅典