平成24年度司法書士試験の合格者の方から,合格体験記をお寄せ頂きました。
直近の合格者の方の生の声が聴ける貴重な機会ですので,ぜひお読み下さい。
【T.O 様 20代前半 専業】
私が勉強を始めたのは大学2年生の終わり頃でした。当時は野球部に入っていたこともあり勉強時間の確保がなかなか難しい状況にありましたが週3で予備校に通い授業を受けるということは必ず怠らないようにしていました。しかし復習をする時間が確保できず、授業でやった部分のテキストの復習のみ行い、過去問に取り掛かることができませんでした。結局過去問に取り掛かったのは全ての授業を受け終わったあとになってしまいました。つまりアウトプットの時間が圧倒的に欠けていました。その結果、大学4年時の初受験では午前の足きり点は越えたものの、午後の択一は足きりにかかり、記述に関しては全く歯が立ちませんでした。
そして2年目。アウトプットが足りていないという意識から答練パックのみの受講に決めました。過去問を解き、解説をじっくり読む。条文は過去問で間違えた該当条文のみ引いて読むというスタイルを貫いていました。過去問はほぼ完璧という状態で自信を持って望んだ答練でしたが民法の得点が安定しませんでした。この原因は、過去問のような聞き方なら答えられるが、少し出題方法が変わると途端にミスをすることです。この状態が本試験まで続き、2回目の受験では全ての足きり点は越えたものの、民法のミスにより午前の択一で上乗せできなかった分、総合合格点に足りずに落ちました。
この1年目、2年目の失敗から勉強方法を考え直しました。十分な知識がないのにインプットをあまりせずアウトプットばかりしても点数が伸びないこと、過去問頼りの勉強はある程度まで点数は取れるが、合格点まで達することはできないことに気づきました。そして自分なりにあみ出した各科目の勉強方法がありますので以下に書きたいと思います。
民法…民法が過去問だけでは通用しないのは2年目の失敗で書いたとおりです。民法は単なる条文知識では解けません。関連判例が重要です。そこで目をつけたのが、条文と判例がまとめて載っている択一六法です。そもそも試験問題のもととなるのは条文と判例です。そこから問題が作成されるわけですから、過去問をやるよりも圧倒的に効率がいいわけです。そして試験問題を条文や判例といった、もとの形で勉強するわけですから上記の過去問勉強法による弊害もありませんでした。この結果、答練の結果は安定し、今年度の本試験の民法は満点をとることができました。とにかく択一六法を読み込む、それしかしていません。因みに3年目は民法の過去問を一切使いませんでした。
不動産登記・・・択一六法の読み込みと過去問です。民法と違い、過去問がそのままの形で出題されることが多いので過去問も回しました。
会社法、商業登記法・・・この2つの科目は1年目から過去問は1度もやりませんでした。会社法は早い段階でビルドアップ問題集を解いて、だいたいが解けるようになった後は、ひたすら択一六法で条文の読み込みをしました。商業登記は記述の勉強と会社法の勉強をしていれば必然的に出来るようになりましたので、択一対策は特別行いませんでした。
憲法・・・推論問題が得意だったため、ほとんど勉強しませんでしたが、直前気は過去問を解き、テキストに載っている判例に目を通しました。
刑法・・・この科目は判例知識があるかないかで決まってくるので、テキストに載っている判例を徹底的に暗記し、過去問は2度回しました。
民訴等・・・最初はテキストで訴訟法の流れをつかみながら過去問を解き、理解が進んだ段階で条文の通読をしました。この科目は他と違い、個々の条文が意味をなしているというよりかは、全ての条文で1つの手続きの流れを形成しているので、今自分が勉強しているのが手続きのどの部分に当たるのかを常に意識することが重要だと思います。また、マイナーと言いつつも7問出題されるので、マイナー科目の中では時間を多めに割きました。
供託法・・・とにかく過去問を回しました。この科目は過去問知識が繰り返し問われるからです。
司法書士法・・・単純に暗記することが多く、忘れやすい科目なので、授業を受けた後は試験1ヶ月前の6月まで1度も勉強しませんでした。6月に司法書士法だけを勉強する日を1日設けて、その1日のみで知識を詰め込みました。因みにこの方法ですと4~6月に行われる答練に間に合わないため1問落としますが、本試験で正解できればいいわけで、答練でいい点をとることが目的ではないので全く気にしませんでした。
全科目について言えることですが、特に2年目以降の方は、過去問を勉強すれば合格できるという意識から脱却することが重要だと思います。
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