商業登記(記述)の出題傾向を過去10年の出題論点から

令和元年度(2019年度)司法書士試験 - 記述

先日,不動産登記(記述)の過去10年の出題論点をみました。

まだご覧になっていない方は,以下の記事をご覧ください。

 

 

この記事では,商業登記(記述)の過去10年の出題論点をみて,出題傾向を把握していきましょう。

過去10年の商業登記(記述)の出題論点は,以下の表のとおりです。

 

商業登記(記述)/出題論点(過去10年)(PDF)

 

 

 

10年間の出題論点をみると,以下のことがわかります。

*上記の表の左の項目から記載していきます。

 

■株式・資本など

・よく出題されるのは,譲渡制限規定,募集株式の発行,新株予約権の行使

・上記の3つ以外の論点はバランスよく出ている

 → 次は,株式の併合など?

・種類株式の出題は「1回/3年」程度(平成18年度以降で考えると「1回/2年」程度)

 

■役員等

・取締役,代表取締役,監査役がほとんど毎年出る

 → 予備校の問題でもほぼ毎回出るのは,これが理由

・上記の3つ以外だと会計監査人が多い

 → そろそろ,みなし再任や大会社であるため廃止不可以外の論点も出そうなので,会計監査人の論点は幅広く確認するべき

・実務上あまり置かれていない会計参与は出ていない(ただ,平成19年度には出ている)

 

■機関設計

・取締役会,監査役,監査役会の設置・廃止が集中的に問われている

 

■その他

・本店,支店,支配人の出題が多い

 → 本店と支店は択一(商業登記法)でもよく出るので,実は時間をかけると得点につながりやすい

 

■通常の変更型以外

・過去10年の間では重複の出題を避けている

 → 次に出題される論点の予想ができそう

 

■付随的な問

・登記することができない事項(登記の申請を代理すべきでない事項)を問うのが基本

・その問題で特に問いたい論点がある場合は,登記することができない事項以外の形式で問う

 

 

 

松本 雅典

関連記事