この記事は,2017年5月26日に公開しましたが,2018年10月15日に最新の情報に書き換えました。

 

 

民法(債権法)改正成立

2017年5月26日,民法(債権法)改正が成立しました。

 

明治時代に民法が制定されて以降,最も大きな大改正です。

 

「債権法」の改正といわれていますが,意思表示や時効など総則もかなり変わります。

物権と家族法(親族・相続)は,ほとんど変わりません。

『リアリスティック民法』でいうと,Ⅰ・Ⅲの一部が大きく変わるとお考えください。

 

 

司法書士試験の改正法の出題はいつから?

みなさんが最も気になるのは,「いつから改正法が出題されるの?」ということだと思います。

 

施行日は,2020年4月1日であると2017年12月20日の官報で正式に公布されました。

実務に多大な影響を与える改正ですので,周知期間が3年近く設けられました。

 

司法書士試験は,基本的には,その年度の4月1日に施行されている法令に基づいて実施されます。

よって,出題は以下のようになると考えられます(一部はすでに実施されています)。

 

 

  現行法・改正法の出題
2017年度 現行法(実施済み)
2018年度 現行法(実施済み)
2019年度 現行法(予想)
2020年度 改正法(予想)

 

 

2017年度および2018年度は,現行法で実施されました。

なお,2018年度については,2017年12月20日,法務省から以下の発表がされました。

 


 

 

受験生の方の改正法の学習

受験生の方は,現行法で学習をしてください。

 

私の基礎講座は,以下のように実施します。

 

「2019年度向けの講座までは現行法で講義を行う

 2020年度向けの講座からは改正法で講義を行う」

 

2019年度向けについても,万が一,法務省から「施行されていないが,改正法で出題するよ」という事前発表がありましたら,即座に対応しますので,ご安心ください。

5~6年間ずっと改正法の学習を続けていますので,改正法に対応したテキストはすでに用意しています。

債権法改正・相続法改正(*)に完全対応した『リアリスティック民法』は,2018年12月に発売します。

*2018年に相続法の改正もされました。詳細は,【2018年7月6日成立】民法(相続法)の改正のポイントをご覧ください。

 

 

 

 

 

 

現状は現行法で学習を続けていただければ結構なのですが,改正法を意識した出題が考えられます。

2016年度,2017年度,2018年度も,改正法を意識した出題(改正される条文,明文化される判例などの出題)が多数ありました。

予備校の講座を受講される方は,講師が改正法を意識したうえで講義をしますので,問題ありません。

また,2016年発売の『司法書士試験 リアリスティック民法Ⅰ[総則]』『司法書士試験 リアリスティック民法Ⅲ[債権・親族・相続]』は,2016年発売とかなり新しい民法のテキストなので,改正点に触れている箇所もあります。

もちろん,現行法に規定のない「定型約款」についての記載などはありませんが,現行法のおかしな箇所などは,以下のようにどのように改正されるかなどを記載しています。

 

 

『司法書士試験 リアリスティック民法Ⅰ[総則]』P244

 

 

改正法での出題が(ほぼ)確定するまでは,2016年発売の『リアリスティック民法』を普通にお使いいただければ問題ありません。

 

 

改正法の学習をしたい方

合格者の方や本試験後に改正法の学習をしたい方もいらっしゃると思います。

 

 

条文

まず,条文を入手してください。

 

現在発売されている六法には改正法も収録されています。

データは,以下からご覧いただけます。

 

 

民法の一部を改正する法律案・新旧対照条文(PDF)

 

 

姫野先生に教えていただいた,以下の“旧新”対照表も便利です。

 

 

解説書

次に解説書ですが,講師のように中間試案や民法(債権関係)部会の会議録を読んでいくというのはやりすぎなので……,まずは以下の書籍が,網羅的ではありませんが,事例(弁護士さんが書いているので実務に即した事例となっています)を基に説明しているので,とっつきやすいと思います。

 

 

その後は,法制審議会民法のメンバーである先生の以下の書籍。

以下の書籍はいずれも,改正案を作った先生の書籍であり,改正法の学習を続けている人は,ほぼ全員が読んでいます。

 

 

 

ただ,いずれも現行法およびその問題点を理解しているのが前提の記述なので,合格レベルの方や民法の学者本を読んでいる方でないと,少し難しいと思います。

 

上記のような学者や官僚が書いた本の理由付けや考え方をわかりやすく書いたテキストで学習したければ,以下の拙著をお使いください。

 

 

 

 

 

 

事例

具体例なら,今は以下の書籍がベストです。

 

【長所】

・同一事例について,旧法と新法を適用した場合を見開き1ページに収録

・執筆準備に時間をかけている(執筆者の1人の先生から先日講師室で聞きました)

 

【短所】

・字が小さい

・表記に統一感がない箇所あり

 

ある程度改正法を把握していることが前提なので,いきなり読むべき書籍ではありません。

 

 

 

番外編

網羅的ではなく,冗長な記載も多いです。

山野目先生の書籍らしく,1段落小説の一節から始まったりします。

好みが分かれるんですが,私は好きです。

この書籍もある程度改正法を把握していることが前提なので,いきなり読むべき書籍ではありません。

 

 

 

債権法の改正も含めた民法の3つの改正(債権法・相続法・成人年齢)については,以下の公開講座でお話しています。

 

 

『改正対策のプロが語る!民法の3つの改正(債権法・相続法・成人年齢)の概要と試験への影響―知らなければ不安が募るだけ→いま知る!―』

*公開講座内で使用しているレジュメはこちら(PDF)からご覧いただけます。

 

 

*債権法の改正については,0:00~38:32でお話しています。

 

 

 

この記事でも出てきました,2018年の相続法の改正については,以下の記事をご覧ください。

 

 

 

 

松本 雅典