以前,過去問を何度も繰り返す時代は完全に終結したという記事を書きました。
その記事に,過去問を何度も繰り返す勉強法を採るべきではない理由として,以下の2点を記載しました。


1.司法書士試験は過去問知識だけで合格できる試験ではない
2.過去問を繰り返すだけでは過去問知識を習得することもできない

1.司法書士試験は過去問知識だけで合格できる試験ではない

これは,もう大丈夫でしょう。
議論することではなく,過去問の該当番号を示せるかだけの話ですから。
平成26年度司法書士試験について,「過去問知識だけで合格できる」ことを証明する,過去問の該当番号を表示したデータを示した講師はいませんよね。
もしいましたら,ぜひ教えてください。

2.過去問を繰り返すだけでは過去問知識を習得することもできない

こちらは,議論ができます。
今回の記事のテーマは,この2です。
「過去問知識を習得する」とは,「同じ知識が本試験で出題された場合に,過去問と問われ方が変わっても正誤の判断ができるようになる」ということです。
過去問を繰り返すだけでできるようになる方がいることは否定しませんが,一般的には困難です。
過去問を思い出してください。
様々な問い方がありますよね。
条文・判例・先例そのままの肢,事例に当てはめた肢,空欄補充,表の穴埋め形式,仲間はずれを選ぶ形式…。
さらに,たとえば「事例に当てはめた肢」の中でも問い方は様々です。
肢の中に要件がすべて入っている肢もあれば,問題冒頭にすべての肢に共通して当てはまる条件(ex.取締役会設置会社)を記載しそれも考慮する必要がある肢など,さらに細かく分かれます。
よって,過去問と本試験の関係は,以下のようになります。
 

141227過去問だけ

聞き方が同じなら「◯」になるが,変えられれば「×」になるということです。
 
1つの知識の聞き方は,何パターンもあるのです。
そのうちの1つに過ぎない過去問を何度も繰り返したからといって,何パターンもある出題方法に対応できるでしょうか。
普通は無理です。
そこで,「より抽象的なテキストの記載自体をいかに記憶するか(テキストのアウトプットができるようになるか)」が勝負となります(テキストでアウトプットする方法は勉強における「インプット」「アウトプット」とは?参照)。
以下のイメージです。

141227テキストから過去問

しかし,抽象的なテキストの記載が思い出せても,「それを問題に当てはめられなかったら,ダメなんじゃないの?」と思う方もいると思います。
司法書士試験は,司法試験の論文などと異なり,高度の当てはめは求められませんので(記述は求められる当てはめ力が少し上がります),あまり心配する必要はありません。
ただし,まったく練習しないのはさすがに危険ですので,本試験までに2回(多くても3回)解く過去問学習の中で,これが私が現在考える最高の過去問学習方法ですに記載したことは行ってください。 
単に過去問を解くよりも,はるかに効率の良い学習となります。
この学習が,上記の図でいうと,「テキスト」から「過去問」にきちんと降りてこられているかを確認するものなのです。
以上,「過去問を繰り返すだけでは過去問知識を習得することもできない理由」と「ではどうすればよいか」を記載しましたが,これは議論の余地のあるところですので,みなさんが過去問を何度も繰り返す学習から安心して脱却できるように理由を追加しておきます(状況証拠のようなものもありますが)。
■みなさんが法律相談を受けたとして,わからないことを聞かれた場合に,過去問から解答を探しますか。 

これは,法律の本質部分に関わる話です。
お客様に「ちょっと待ってください」と申し上げ,裏で過去問集をめくっている法律家はいないでしょう。
条文・判例など,通常はそれだけではわからないので,条文・判例などを解説したテキスト(実務では実務書や学者本が該当します)から探すことになります。
つまり,事案(試験では肢)を解決する場合,条文・判例・それらを解説したテキストから考えるのです。
 


■短期合格の講師で
過去問を何度も繰り返す学習法を勧めている講師はほとんどいない
講師だけではありませんが,短期合格者の方と話していると,「この人は,直感的に元(抽象的なテキスト)を学習しないといけないことがわかっているな」と感じることが多いです。
 
 
松本 雅典


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