2年目以降の意外と多い合格パターンと「基本」がわかっているかの例を挙げてみますの続きの記事です。
今日は,「不動産登記法の申請情報を単に記憶していませんか?」という話です。
添付情報を提供する理由や提供の判断基準は,説明しない講座やテキストはないはずなので,それ以外の申請情報の記載(目的と原因)の話を中心にしてみます。
申請情報の記載事項の意味
名変登記など権利変動ではない登記もあるのでわずかに例外もありますが,基本的には以下の内容を申請情報に記載しています。
権利変動を公示するのが登記の基本かつ最も重要な役割ですが,目的には,その「権利が こう変動したよ」ということを書きます。
権利は何の原因もなく変動しませんので,原因には「権利変動の効力発生日 権利変動が発生した原因」を書きます。
原因は法律行為(契約など)に限られるわけではなく,事実行為(時効取得や相続など)もあります。
しかし,このような申請情報が登記所に提出されても,登記官は「これホントか?」と思います。
申請情報だけなら,パソコンで数分で作れますので,安倍さんの不動産がすべて松本に贈与された申請情報だって作れてしまうのです。
よって,申請情報だけではまったく信用できないので,「ホントだよ~。信じて~。」という意味で添付情報を付けるわけです。
根抵当権の全部譲渡・一部譲渡の申請情報
つまり,「譲渡・一部譲渡したから,移転・一部移転した」のであって,「移転・一部移転したから,譲渡・一部譲渡した」のではないということです(←これが一番わかりやすいと思います)。
こう考えれば,パッと思い出せなくても,「『移転・一部移転したから,譲渡・一部譲渡した』はおかしいな…」とわかります。
そして,不動産登記法の序盤で,冒頭で説明した「申請情報の記載事項の意味」を学習していますので,申請情報を思い出せるのです。
「不動産登記法は理由がない」というのはウソですの記事にも書きましたが,申請情報の記載や登記記録には意味があるのです。
(もしされていたらですが)ひな形を書きまくるような試験勉強から脱却しましょう!
共有とは?の記事に続きます。