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「司法試験の受験経験者の方は司法書士試験に楽に受かる」ような宣伝がまだあるので,もう1回書きます

司法試験

昨日は,司法試験の合格発表でした。
合格された方,本当におめでとうございます。
かつて私の基礎講座をご受講いただいた方で,司法試験の合格報告をしてくれた方もおり,大変嬉しかったです。
私の基礎講座をご受講いただいたことがある方は,予備試験でも司法試験でも構いませんので,ご報告いただけると大変嬉しいです。
近況をお聞きすると,安心します。
メールでのご報告の場合は,以下のアドレスまでお願いいたします。
sihousyosi_5month@yahoo.co.jp
※3日以内に返信がない場合は,私の迷惑メールフォルダに入っている可能性があります。お手数ですが,3日以内に返信がない場合,別のメールアドレスからお送りください。また,私が返信したメールが迷惑メールフォルダに入ってしまう可能性もあります。上記アドレスの受信設定を可能にしてください。

目次

司法書士試験への転向について

この時期になると,予備試験や司法試験を諦める方をターゲットに,予備校が「司法書士試験を受けませんか?」と宣伝をします。
「司法書士試験を受けませんか?」,つまり,「うちの司法書士試験講座を受講しませんか?」と宣伝すること自体は,問題はないと私は考えています。
予備校は学校ではなく,株式会社,つまり,ビジネスですから,商品(講座)を売ろうとするのは当たり前です。
それ自体を否定する方もいますが,その批判はおかしいと思います。
予備校は税金を配分してもらえる立場にあるわけでもなく(教育給付金はありますが今はわずかです),商品(講座)の売上から,働いている人に給料を支払う必要があります。
以前,Twitterに書きましたが, 「予備校は学校ではなく株式会社であり,講師は先生ではなく単なる商品であり,受講生の方は学生ではなくお客様」です。
もちろん,「教育」なんてしているとは思っていません。
私みたいな20代のガキが,教育なんてできるわけがありません。
60歳くらいにならないと,人様に教育なんてできないと思います。
合格するためのノウハウを商品にして買ってもらっているだけです。
よって,「うちの司法書士試験講座を受講しませんか?」と宣伝すること自体は問題ないと私は考えています(辰已法律研究所さんがしているか知りませんが)。
しかし,「司法試験の受験経験のある方には資産があり,こんなに有利なんですよ」と宣伝することは極めて不適切だと思います。
このことは数年前から指摘していますが,まだ予備校はこの主旨の宣伝をしています。
なぜ不適切かというと,「司法試験から司法書士試験に転向して1回で合格した方は,ほとんどいない」からです。
1回で合格するのが難しい理由は,以下の記事に書きました。
司法試験の学習経験は負債だと思ってください
司法試験の受験経験者の方のほとんどが司法書士試験に1回で受からないのはなぜ?
司法試験の受験経験者の方のほとんどが司法書士試験に1回で受からない3つの理由
詳細は上記の記事をお読みいただきたいのですが,簡単にいうと,「人間だから」ということです。
みなさんが機械なら,容易に司法書士試験に1回で受かるでしょう。
しかし,(司法試験よりは簡単だとしても)司法書士試験くらい難しい試験になると,「人間だから」ということが本当に大きく影響します。本当に。
司法書士試験に転向するなら,相当の覚悟できてください。
キーボードで「相当の覚悟」と打つのは簡単ですが,みなさんは人間なので,大変です。
「簡単ではない」ということをきちんと理解し,「司法試験の受験経験は負債になる可能性すらある」という厳しい現実を認識したうえで,それでも目指すなら目指してほしいのです。
そうすれば,一発合格も可能となってくるので。
このように,厳しい現実も伝えるべきです。

どっちを信じますか?

予備校の「司法試験の受験経験者の方は司法書士試験に楽に受かる」主旨の宣伝と,私が申し上げていることとは正反対ですが,どちらを信じますか。
どちらも簡単に信じないで欲しいので,先輩などに,司法試験から司法書士試験に転向した予備校と利害関係のない方がいらっしゃったら聞いてみてください。
それができない方は,発言者の立場や思惑を考えて判断してください。
私は,こんなことをブログに書いても,得をしません。
得をすることといえば,この話をブログに書くと,司法試験から司法書士試験に転向した同期などに,「よく言ってくれた!」と言われることくらいでしょうか。
予備校の「司法試験の受験経験者の方は司法書士試験に楽に受かる」主旨の宣伝に乗っかるか,何も触れないほうが,私の講座の受講者数は増えるでしょう。
現に,私以外の講師は,この手の予備校の問題点を指摘する発言はしません。
この手の話(予備校の問題点)を書くと,同業の講師からまた「悦に浸っている」と評価されるのかもしれません。
まあそう思う方もいるでしょうね。
どう感じるかは自由ですから,「悦に浸っている」と言われても反論はできません。
「そう感じたんですか」と感想を申し上げることしかできません。

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松本 雅典
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