テキスト・講義の事例を変える(ラスト)と,上からではなく下から

勉強法 - テキストの読み方

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大変多くの方から「続きがぜひ読みたい」とのリクエスト(は一切ありませんでしたが)に再び勝手にお答えして,「テキスト・講義の事例を変える」の最終回です。
最終回なので,お読みでない方は,以下の記事から先にお読み下さい。
テキスト・講義の事例は変えて構いません
続・テキスト・講義の事例を変える

(動機の錯誤が要素の錯誤に当たるか)
僕は,CDショップで,握手会のチケットが入っていると思い,握手会のチケットが入っていない『風は吹いている』のCDを購入しました。
そこで,僕が文句を言っても,店員さんからすれば「握手会のチケットが入っていると思っていたなんて,知らねーよ。発売日初日に来て,握手会のチケットが入っているCDがあるわけないだろ」と思うでしょう(実際に,『Everyday,カチューシャ』のCDをノコノコ発売日初日に買いに行ったら,言われました。もっとはるかに柔らかい言い方ですが)。
それに,『風は吹いている』のCDが欲しくて(内心的効果意思),「『風は吹いている』のCDを下さい」(「表示行為)と言ったので,内心的効果意思と表示行為にズレはありません。
しかし,僕が「握手会のチケットが入っている『風は吹いている』のCDを下さい」と言って買ったとしたら,どうでしょう?
店員さんに,「店頭には,握手会のチケットが入っているCDはありませんよ。次からは,このキャラアニってサイトで,事前に申し込みして下さい。ちなみに,人気メンバーは,第1次申し込みで申し込まないと,ほぼ無理ですよ」と教えてあげろよと思いませんか?(後半の2文は思わないでしょうが)
そこで,判例は,
錯誤が動機に関するものであっても,それが表示され,意思表示の内容となったときは,要素の錯誤に当たる
としています(最判昭29.11.26)。
ちなみに,上記の話は,明らかに意思表示の内容としたものにしましたが,そこまでいってなくても要素の錯誤に当たると認められた判例はあります。
ただ,具体例を出すのが難しかったので,避けました。
「動機の錯誤が,黙字的に表示されただけでも,要素の錯誤になりうる」ということは,思い出せるようにしておいて下さい。
このように,よっぽど優秀な人を除いて,勉強というのは本試験の下から攻めるべきです。
どういうことかと言うと,以下の位置関係になっています。
       学者の本・難しいテキスト・難しい説明
                  ↓
               本試験
                 ↑
       上記の具体例のようなくだらない例え
これは,検索先の一元化と違って,上からではなく下から行って下さい。
僕の例で言うと,本試験の日まで,誠に失礼ながら法律の学者の先生のお名前を1人も知りませんでした(今は,大分知ってきました)。
勉強は,楽しくないと,「勉強できる全ての時間を勉強時間に充てる」ということは難しいです。
単に,表etc.で要件や効果,判例・・・なんて確認していく方法だったら,キツイに決まっています。
(今日のつぶやき)
CDではなく,握手会のチケットがメインだから,握手会のチケットが入っていなかったら,当然に要素の錯誤に当たるのではないか,との見解もあります。
僕は,この立場に立って書いていないということは,ご承知下さい。
(追記)
「下から行く」と書きましたが,麻里子様は「上から」でOKです。

もっともっと努力しないとと思わせてくれます。
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