答練・模試を解くことで知ってほしいこと

答練・模試

答練・模試を受け始めている方が多いと思います。

テキストにあるが失点してしまった問題を通して知ってほしいことがあります。

午後の時間対策と同じくらい大事なことです。

 

 


 

「合格する」を具体的にすると,「合格する→問題を解けなければならない→問題を読んで知識を検索できなければならない」なので,これは学習初期段階から常に意識する必要があることでもあります。

数千ページのテキストから一気に知識を検索しないといけないこの時期は,「知識の検索力」が大事であることをより実感されると思います。

 

 

基本的には,上記の3段階を経て,検索をします。

昨年度の本試験の問題を使って,具体的に説明します。

正答率50%ちょっとだった,合格者の方と合格できなかった方を分けた問題の1つです。

 

 

平成29年度(午前)

 

第21問 未成年後見に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうち,どれか。

 

ア 未成年者Aの親権者であるBが死亡したことにより,Aに対して親権を行う者がなくなったときは,家庭裁判所は,親族その他の利害関係人の請求により,後見開始の審判をすることができる。

イ 未成年者Aの親権者であるBが管理権を喪失したことを理由に未成年後見人Cが選任された場合には,Cは,財産に関する権限のみを有する。

ウ 未成年者Aについて未成年後見が開始された場合には,家庭裁判所は,未成年後見人を複数選任することはできない。

エ 未成年者Aに嫡出でない子B(2歳)がおり,AがBの親権者である場合において,Aについて未成年後見が開始され,CがAの未成年後見人に選任されたときは,Cは,Aに代わって,Bに対する親権を行う。

オ 夫婦であるAB間に未成年の子Cがいる場合において,Aが親権を喪失したときは,Bは,遺言で,Cの未成年後見人を指定することができる。

 

1 アウ     2 アエ     3 イウ     4 イオ     5 エオ

 

 

目次

1.問題冒頭のテーマから原則としてテキスト10数ページに絞る

 

 

 

「未成年後見」というテーマを確認したら,テキストの該当箇所に頭をセットします。

『リアリスティック民法Ⅲ』だと,P432~433です(未成年後見なのでページ数がかなり少ないですが)。

 

もちろん,セットしたところから,全肢出題されるとは限りません。

・ウ → ⅠのテキストP68

・エ → ⅢのテキストP421

 

しかし,セットしたところから出題される肢が多いです。

・ア → ⅢのテキストP432,433

・イ → ⅢのテキストP432

・オ → ⅢのテキストP433

 

よって,まずはテキストの該当箇所に頭をセットすべきです。

それを軸にして,他の箇所についての肢があれば頭の中で移動します。

「最初からテキストの全ページを検索すればいいんじゃないの?」と思われたかもしれませんが,それはかなり大変です。

軸がないと,なかなか思い出せないんです。

 

 

2.肢のキーワードからどの知識か判別

「キーワード」は,ほぼ漢字です。

たとえば,イの肢でやってみましょう。

 

 

 

 

「管理権を喪失」から,テキストの以下の箇所を思い出してください。

 

 

(『リアリスティック民法Ⅲ』P432から一部抜粋)

 

 

これができず,「テキストに載っていないのでは?」と考えてしまう方が多いです。

「この模試の問題,テキストで解けないと思うんですが」とご相談いただいた場合,「1肢以外すべて載っていますよ」などとなることがほとんどです。

『リアリスティック民法』『リアリスティック不動産登記法』『Realistic Text』は,業界の平均よりも少し情報量が多いくらいですが,他のテキストでもこうなることが多いです(他のテキストは記憶ベースですが)。

よっぽど絞り込んだテキストを使っていない限り,「受験生の方のほとんどが知っているが,自分だけ知らなかった」ということは起こりません。

 

 

3.理由や判断基準などから正誤を判断

上記の知識がすぐに出てくればベストですが,「そんなハナシはあったけど,どっちだったっけ?」となることもあると思います。

そのときは,理由や判断基準を思い出してください。

 

 

(『リアリスティック民法Ⅲ』P432~433から一部抜粋)

 

 

このように思い出せるようにするため,「理由や判断基準など→知識(試験で問われる箇所)」の思考訓練を普段からしておく必要があります。

ただ,「今まであまり意識していなかった……」という方もいらっしゃいます。

ですが,この時期に行う個別相談で「理由や判断基準を経由することを意識してください」と申し上げ,1~2か月それをすることで,点数が一気に上がって合格する合格者の方も多いです。

 

まだまだ間に合いますので,上記1~3の3段階を意識してみてください。

 

 

 

なお,時間短縮(主に午後択一)については,以下の公開講座の30:10~をご覧ください。

これも大事です。

 

 

*該当箇所を頭出ししていますが,上記の動画を再生したことがある方は,その再生記録がお持ちの端末に記録されており,頭出しされないことがあります。その場合は,お手数ですが,「43:40」の箇所に移動してください。

*無料講義で使用しているレジュメはこちら(PDF)からご覧いただけます。

 

 

 

松本 雅典

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