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そこで,「よし!平成27年度司法書士試験に向けて,勉強するのみだ!」と意気込んでいらっしゃる方もいると思いますが, 平成26年度の敗因分析をしましたか?
いくつか敗因を挙げてみて下さい。
「勉強不足だった」などという敗因しか挙げなかった方は,正直不安です。
今年度の失敗を基に来年度の合格を目指すわけですから,今から行う修正された勉強が,来年度の試験に合格できるものである必要があります。
「勉強不足だった」という方は,本当に単に勉強時間を増やせば合格できるのでしょうか。
合格できるならそれで構わないのですが,合格の確率を高めるために,より分析的に考えていきましょう。
以下の作業を行って下さい。
1.平成26年度に向けて使用したテキストおよび過去問でどの肢の正誤が判断できたか,どの問題を正解できたかを確認する
2.上記1で判明した,正誤を判断できるにもかかわらず判断できなかった肢について,「なぜ判断できなかったか?」を考える
3.来年度,「正誤を判断できるにもかかわらず判断できなかった肢」をどうすればゼロに近づけられるのか(ゼロは普通は無理です)を考える
1について
・平成26年度司法書士試験の午前択一はテキストおよび過去問で何問獲れた?
・平成26年度司法書士試験の午後択一はテキストおよび過去問で何問獲れた?
私が確認した限りですと,自身が担当した講座のテキストおよび過去問と今年度の各肢との対照表は,私と姫野先生(※以下のページ参照)しか示していませんが,みなさんはその講座にお金と人生をかけたわけですから,ご遠慮なく担当講師に要求して下さい。
・検証-2014年合格目標 択一式対策講座【理論編】ズバリ的中(午前の部)
・検証-2014年合格目標 択一式対策講座【理論編】ズバリ的中(午後の部)
なお,この「講座のテキストおよび過去問と今年度の各肢との対照表」は,みなさんが講座をご受講される前に必ず確認する必要があるものですが,それをご覧になるときに注意点があります。
それは,「実際の今年度向けの講座のテキストをきちんと見せてもらい確認する」ということです。
これなんですけどねぇ。
「関連する」ということで,「テキストまたは過去問にある知識だ」とか平気で言う講師がいるんです。
まず,過去問について。
今年度の午前択一で過去問知識のみで正解できる問題数は,私は「8問」としています。
姫野先生は「9問」です(姫野先生の本試験分析会参照)。
分析対象過去問が少し異なるので1問違いますが,こんなもんなんです。
「今年度の午前択一は,過去問知識だけで半分は獲れた」「20問は獲れた」「基準点は獲れた」とか。
「本試験の1肢1肢と過去問の照らし合わせ」なんてやっていないんでしょ?
私は,受験生の時でもしましたけど。
言い方が悪くて申し訳ありません。
ですが,1肢1肢をテキストおよび過去問と照らし合わせている者からすると,軽率な発言には・・・なんです。
テキストについても,同様です。
たとえば,憲法のテキストを見せてもらって下さい。
以下の肢などが,テキストを見せてもらったときに,「きちんとした分析か」を判別するときにわかりやすいです。
(午前)第2問
2 両議院は,それぞれその総議員の3分のl以上の出席がなければ,議決をすることができないだけでなく,議事を開くこともできない。
この肢について,テキストに「両議院の定足数はそれぞれ,総議員の1/3である」という記載があったというだけでは,そのテキストでは正誤を判断できなかったことになります。
「議事を開くこともできない」というところまでわかっていたかがポイントですし,実際に受験生の方の多くが迷った箇所です。
テキストには,以下のように条文の文言がすべて載っている必要があります。
もう1つ判別の基準となる肢を挙げます。
(午前)第2問
4 両議院の議員は,院内で行なった演説,討論又は表決について院外で責任を問われないため,議員が行ったこれらの行為につき,国が賠償責任を負うことはない。
「最判平9.9.9の判例がテキストに載っているから,テキストから正誤を判断できる」なんでダメですよ。
この肢は,単に議員の責任のほうではなく,国の国家賠償責任のほうを聞いています(こちらも判決事項になっているんです)。
「国の国家賠償責任は,直ちには生じないが,例外的に生じる可能性がある」ということを聞いています。
以下の下線の箇所まで載っていて,初めて「テキストにある」と言えます。
ということで,まずは「1.平成26年度に向けて使用したテキストおよび過去問でどの肢の正誤が判断できたか,どの問題を正解できたかの確認」を行って下さい。
面倒くさくても。
松本 雅典
本試験詳細分析会
レジュメはこちら(PDF)からご覧いただけます。プリントアウトし,ガイダンスをご覧下さい。
中上級者もリアリスティック式で
レジュメはこちら(PDF)からご覧いただけます。プリントアウトし,ガイダンスをご覧下さい。平成26年度司法書士試験の不動産登記(記述)の枠ズレの採点方法(松本の推測)も示しています。
リアリスティック一発合格松本基礎講座(全117回)
本講座のガイダンスは,以下のページからご覧頂けます。特に「民法第1回講義」「不動産登記法第1回講義」「リアリスティック導入講義 民法の全体像1・2」「リアリスティック導入講義 会社法の全体像1・2」をご覧下さい。