択一で2肢で迷うことは,過去問・答練・模試で何度も経験されたと思います。
私も,毎年本試験で迷います。
合格者の方も,普通は午前択一と午後択一のそれぞれで10問程度は迷うと思います。
同じ知識量でも,どのように検討したかで合否が変わる可能性がありますので,この記事で対策を考えていきましょう。
「正しいものの組合せを選べ」の問題
ア ×
イ ×
ウ ◎
までは自信を持って判断できた
エとオの正誤で迷い,正解の候補に「4 ウエ 5 ウオ」がある
大きく以下の3パターンが考えられます。
パターン1 2肢ともテキストにあった知識
エ テキストにあった知識だが思い出せない
オ テキストにあった知識だが思い出せない
パターン2 1肢がテキストにあった知識
エ テキストにあった知識だが思い出せない
オ 知らない
(エとオが逆の場合もパターン2に含む)
パターン3 2肢ともテキストにない知識
エ 知らない
オ 知らない
共通点
パターンごとにお薦めの思考を書く前に,どのパターンであっても「ふわ~っとエとオを見比べて,なんとなくこっちが正しい,こっちが誤り」とはしないでください(後述するパターン3で仕方なく第一印象で決める場合は除きます)。
ふわ~っと考えるとふわ~っと間違えるように問題は作られています。
問題作成においては,「誤りの肢をいかに正しく見せるか」が大事な要素です。
だから,「~ので,~。」「~から,~。」の構造の肢(理由が記載された肢)の誤りの確率が少し上がるんです。
♦参考
「~ので,~。」の構造の肢で誤りを選んだ場合の正答率:午前択一67.4%,午後択一:55.1%
「~から,~。」の構造の肢で誤りを選んだ場合の正答率:午前択一68.5%,午後択一:64.7%
(松本調べ)
全肢調べたことがあります。こんなマニアックなことも調べています(ヒマでしょう……)。
では,パターンごとにお薦めの思考を書いていきます。
パターン1 2肢ともテキストにあった知識
以下の要素で,判断する肢を決めてください。
1.理由がおぼろげでも浮かぶか
2.思い出し方がおぼろげでも浮かぶか
3.これまでの問題演習(過去問・答練・模試)で正確に正誤を判断できたことがあるか
4.これまでの問題演習(過去問・答練・模試)で得意な分野だったか
まず,1.または2.に該当すれば,それで判断する肢を決めてください。
1.にも2.にも該当しなければ,3.または4.です。
要は勝つ確率が高いところで勝負するということです。
家康が関ヶ原で野戦に持ち込んだように,これが兵法の基本です。
パターン2 1肢がテキストにあった知識
テキストにあった知識で勝負してください。
知らない知識がたとえ誤りであった場合,問題作成者は「いかにも正しい肢のように」肢を作っています。
知らない上にこんなことをされては,「なんとなく正しいだろう」とまんまと罠にかかります。
テキストにあった知識の理由または思い出し方を,以下のレジュメのP3~4の四角2の制限時間まで考えてください。
(注)以下のレジュメのP3~4の四角2の制限時間がきたら,絶対にマークして次の問題にいってください。
『答練・模試の解き方・受け方を知るための60分』(平成30年度向け)
*ガイダンス内で使用しているレジュメはこちら(PDF)からご覧いただけます。
パターン3 2肢ともテキストにない知識
知らないので,思い出そうとしても不可能です。
2肢とも知らないなら,その知識を知らなかったことだけで不合格になることはありません。
「間違っても大丈夫な問題だ」と安心してから,以下の方法でほんの少しでも正解する確率を上げてください。
1.他の知識の理由が当てはまらないかを考える
2.他の知識の思い出し方が当てはまらないかを考える
3.他の制度との比較から考える
4.単純にどっちがかわいそうかを考える
これらでもどうしようもなければ,1読目になんとなく付けた「△○」「△\」にしてください(第一印象の記号は付けておいてください)。
第一印象ですが,これは何の根拠もないわけではなく,第一印象はみなさんの潜在意識がリーガルマインドから判断したものです。
意識していなくても,リーガルマインドが働いて「なんとなく正しい」「なんとなく誤り」と感じたんです。
法律をまったく学習していない方は,「なんとなく」の印象さえ持ちません。
理由や思い出し方をこれだけしつこく学習してきたので,リーガルマインドはかなり育ってきています。
*私の基礎講座を受講された方は,「学説問題・推理レジュメ」P6のテクニックが使える問題なら,裏ワザとしてこのテクニックを使ってください。こっちのほうが確率が高いかもしれません。
松本 雅典