不動産登記(記述)の出題傾向を過去10年の出題論点から

令和元年度(2019年度)司法書士試験 - 記述

出題論点(ex. ◯◯の登記が出そう)を予想するには,まだ早すぎる時期です。

絞るには危険であり,まだまだ広く学習するべき時期だからです。

出題論点は,本試験2~3週間前の出題予想会などで予想するくらいがちょうどよいです。

 

しかし,出題傾向(ex. 不動産登記〔記述〕で利用権がよく問われるようになってきている)は把握しておく必要があります。

過去10年の不動産登記(記述)の出題論点は,以下の表のとおりです。

 

不動産登記(記述)/出題論点(過去10年)(PDF)

 

 

 

10年間の出題論点をみると,以下のことがわかります。

*上記の表の左の項目から記載していきます。

 

■所有権

・出ていない年度はない

・売買はやはり多い

・相続は意外と法定相続が多い

 → 遺言などがあっても,法定相続の可能性は常に考える

・それ以外の登記も通常のテキストに載っていないようなものはない

 

■抵当権

・抵当権と根抵当権が交互に出題される傾向は終わったので,「2年連続で抵当権」「2年連続で根抵当権」「抵当権と根抵当権双方」があり得る

 → 抵当権または根抵当権に絞らない

・抹消が群を抜いてよく出ている

 → 抹消の論点・抹消が絡む論点は特に注意

 

■根抵当権

・抵当権と根抵当権が交互に出題される傾向は終わったので,「2年連続で抵当権」「2年連続で根抵当権」「抵当権と根抵当権双方」があり得る

 → 抵当権または根抵当権に絞らない

・抵当権と比べると幅広く出ている

 → どのテキストにも記載されている知識は,ひととおりどれを聞かれても大丈夫なようにする必要がある

 

■名変

・7/10年度で出題

 → 平成30年度は出なかったので,令和元年度は出る確率が高い

・自然人の住所変更が多い

・更正が出ていない

 → そろそろ更正も出る?

 

■その他

・利用権の出題が増えてきている

 → 利用権の申請例も書けるようにする

特に登記事項をきちんと把握することが大事です。

開示請求答案の分析をしていると,利用権は登記事項で差がついていることがわかります。

登記事項は,以下の『リアリスティック不動産登記法Ⅱ』P215の思い出し方で思い出せるようにしてください。

 

 

 

■付随的な問

・報告形式の登記原因証明情報の作成のみ3/10年度で出題

 → 報告形式の登記原因証明情報の記載パターンを記憶するのは無理があるので,以下の『リアリスティック不動産登記法Ⅰ』P66(3)の方法で備える

 

 

 

・報告形式の登記原因証明情報の作成以外は決まった傾向なし

 → 記述対策として備えるのは無理があるので,普通に択一の学習をし,記述で問われたら択一知識を思い出してその場で解答を考える

 

 

商業登記(記述)についても,過去10年の論点をまとめました。

以下の記事をご覧ください。

 

 

 

 

松本 雅典

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