民事訴訟法の学習の4つのポイント―「用語」「イメージ」「手続のどの段階か」「4段階構造」

市販テキスト『リアリスティック』シリーズ - 市販テキスト『リアリスティック民事訴訟法・民事執行法・民事保全法』 - 民事訴訟法

民事訴訟法に苦手意識のある受験生の方は多いのですが、そうならないように、以下の4つのポイントを意識して学習してください。

 

 

目次

1.軽視されがちな用語の徹底

民事訴訟法は、実は非常に“用語”が重要な科目です。

 

民事訴訟法の学習をしたことがある方は、たとえば、以下の問題に即答できるでしょうか?

 

「当事者」とは、どのような意味でしょうか?

 

 

 

→ 「原告」や「被告」などのこと

 

訴訟代理人などのことではありません。

 

正確な定義を言えば、「自己の名で訴えまたは訴えられることにより判決の名宛人となるべき者」となりますが、司法書士試験は司法試験のように論文がありませんので、正確な定義を言えるようにする必要はありません。

上記のように、「『原告』や『被告』などのこと」と言えれば問題ありません。

※「など」の部分は少し細かいので、この記事では置いておきます。

 

上記の「当事者」という用語は色々なところで出てきます。

「当事者能力」「当事者適格」……

 

「当事者」という用語の意味がすぐに浮かばなければ、当事者能力や当事者適格の意味がわかりません。

基本的な用語の意味を記憶していない方は、民事訴訟法のテキストを読めているように思えるかもしれませんが、実はきちんと読めていないのです。

 

 

2.早い段階で民事訴訟法のイメージをつかむ

予備校を利用している方は、講師が講義中に話す実務の小話などからイメージを膨らませてください。

テキストによっては、以下のように実務の小話が書かれているものもありますので、こういった説明を活用してください。

 

 

(『【第2版】リアリスティック民事訴訟法・民事執行法・民事保全法』P113より一部抜粋)

 

 

平成26年度第2問・オや平成7年度第1問・2は、この実務の小話から解きます。

 

(平成26年度)第2問・オ

判決の言渡しは、当事者が在廷しない場合においても、することができる。

 

→○(民事訴訟法251条2項)

 

(平成7年度)第1問・2

判決の言い渡しは、その期日に当事者の双方が欠席した場合でもすることができる。

 

→○(民事訴訟法251条2項)

 

 

テキスト以外だと、民事訴訟法のイメージが湧くようになるには、以下の書籍がお薦めです。

 

 

『小説で読む民事訴訟法―基礎からわかる民事訴訟法の手引き』

 

 

 

3.手続のどの段階かを意識する

テキストに、以下のような民事訴訟の手続の流れのフローチャートが掲載されていると思います。

 

 

(『【第2版】リアリスティック民事訴訟法・民事執行法・民事保全法』P6より一部抜粋)

 

 

フローチャートのページに付せんを貼って、「いまどの段階の学習をしているのか」を常に確認しながらテキストを読み進めてください。

 

 

4.「民事訴訟法の4段階構造」に基づく学習

民事訴訟法の4段階構造とは、以下のものです。

*3段階とする説明方法もあります。

 

 

(『【第2版】リアリスティック民事訴訟法・民事執行法・民事保全法』P6より一部抜粋)

 

 

民事訴訟は、この4段階に分けることができます。

それぞれの段階で考え方が異なります。

たとえば、1番上の請求の段階には「処分権主義」という考え方があります。

 

「この条文はこの段階のハナシだから、この考え方で……」と4段階構造に従って考えられるようになると、頭の中に自然と「思考の型(フレームワーク)」ができます。

そうすれば、民事訴訟法の条文や判例を理解でき、整理して記憶できるようになります。

 

 

この記事で抜粋したテキストは、以下のものです。

 

 

 

 

 

松本 雅典

関連記事