この「基本」とは,たとえば,「危険負担で債権者主義となるのは,特定物に関する物権の設定又は移転の場合である」といった基本的な知識のことを指して言われるのが通常です(ちなみに,危険負担の「債権者主義」「債務者主義」とは,「消滅する債務についての債権者・債務者」という意味です。消滅する債務の債権者が泣くのが債権者主義,消滅する債務の債務者が泣くのが債務者主義です)。
ほとんどの受験生の方が知らないような知識を追い求めず,上記のような基本知識を正確にするということは,もちろん,非常に重要です。
しかし,「基本が大事」の「基本」には,もう1つの意味があるのです。
それは,もっと基本的な話です。
たとえば,
司法書士試験とは,相対評価の試験である
ということです。
「そんなの知らなかった」という方はいないでしょう。
しかし,昨年までの本試験では,受験生の方のほとんどが“わかっていなかった”と思われます。
拙著やこのブログで何回も書いているので,今年からはそのような事態が起こらないでくれるとは思うのですが…。
司法書士試験とは,相対評価の試験です。
これが“わかっていれば”,以下のようなことは起こらないはずなんです。
1. 知らない肢が出た時に,「ヤバイ!」と思う
2. 記述でサプライズがあった時に,パニックになる
しかし,司法書士試験は,相対評価の試験です(しつこいですが,本当に重要なことなんです)。
相対評価,つまり,他の受験生の方との比較によって合否が決まるんです。
ということは,以下の反応になるはずなんです。
みなさんが知らない知識は,ほとんどすべての受験生の方が知りません。
そこで,多くの受験生は「ヤバイ!」と思い,その問題の正解にたどり着くことを諦める方もいます。
しかし,そこで「やった!」と思え,冷静に考えれば,正誤を判断できる(かなりの確率で当たる)肢は意外と多くあります。
2について
近年のサプライズは,すべてが予備校の予想の範疇を超えています。
そして,ほとんどの受験生の方が午後の試験中,パニックになりました。
私は,全く違いました。
商登(記述)が「新設分割」とわかり,ニヤニヤしていました。
笑い声が出るのを抑えていました。
私も,新設分割の申請書を書いたことなんてありませんし(まあ私の場合は,ほとんどの申請書を書いたことがありませんでしたが。音読で終わらせましたので),新設分割の問題も解いたことがありませんでした。
しかし,他の受験生の方がパニックになっていることがわかりました。
そのおかげで,商登(記述)で最低限の点が獲れ,その後の不登(記述)は最高の状態で解くことができました。
「司法書士試験は,相対評価の試験である」ということを,強く強く意識していましたから。
本当にしつこいですが,司法書士試験は相対評価の試験です。
私の講座をご受講頂いた方,ガイダンスにお越し頂いた方,拙著をお読み頂いた方,そして,拙ブログをお読み頂いた方は,これがわかっているので,仮にボーダーより少し下でも,ギリギリの所で合格に滑り込めると信じています。
その他の「基本」,当日の過ごし方etc.はお持ちの『司法書士5ヶ月合格法』の以下のページをご覧下さい。
「去年努力は必ず報われると言いました。
でも、ある方は“努力は報われない”と言いました。
そうかもしれないです。
全部は報われないかもしれない。
運も必要かもしれない。
でも,
努力しなけりゃ始まりません。」
正しい努力であれば,報われるでしょう。
みなさんの努力が正しかったと,(もう)明日,証明して来て下さい。
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