先日,以下の記事に記載しましたとおり,2017年の債権法と2018年の相続法の改正に対応した『リアリスティック民法』がもうすぐ発売されます。
改正点をどう記載するか,悩みました。
まず,現行の民法を学習したことがある方もお読みになりますので(そちらのほうが多いかも?),「現行の民法がどう変わったか」を記載するのはマストでした。
その記載方法として,以下の2つが考えられます。
1.現行法の変更がある箇所にグレーのマーカーを引くなどして,その下に改正法を記載
平成26年の会社法の改正の際は,『Realistic Text 会社法・商業登記法』はこの方法を採りました(*)。
*2015年度向けと2016年度向けのテキストです。2017年度向けと2018年度向けのテキストは,下記の2.の記載方法にしています。
2.改正点も改正法ベースで記載し,理由付けで現行法を記載
現行法を理由付けで使う方法です。
『リアリスティック民法』は,上記2.を採用することにしました。
理由は,以下のとおりです。
①上記1.の方法だとあまりにも分量が多くなる
②平成26年の会社法の改正と異なり,考え方が大きく変わる箇所もかなりあるので,改正法をベースに記載するべき
今回の民法改正について,上記1.の方法を採ることは不可能で,仮に採った場合,「使いにくい……」という声の嵐になると思います。
ただし,現行法を学習したことがある方も多いですし,改正法から学習する方も「どう変わったか」を知ることは理解の促進になるので,現行法の規定は理由付けで記載しています。
また,以下のように,改正箇所が明確にわかるような構成にしています。
■本テキストご利用にあたっての注意
本文に入る前に,改正点の記載方法を説明しています。
■テーマの冒頭
債権法改正については,テーマの冒頭で,改正のポイントを箇条書きで簡潔に記載しています。
■改正箇所の説明
そして,肝心の説明ですが,以下のように改正点については,「改 正」「新 設」「明文化」のマークをつけています。
そのうえで,説明を記載し,現行法を理由付けで使っています。
この形式で「使いにくい……」という方はいないと思いますが,いかがでしょうか?
松本 雅典