司法書士試験が延期され,延期後の試験日まで学習を継続できるかが大事になりました。
そこで,これから学習を開始する方向けにお伝えしている「効率良く学習するための日々の過ごし方」を記事にしておきます。
以下の事項は,これから学習を開始する方向けにお伝えしていることですが,今年度の本試験を受ける方にも学習継続のためにお役に立つのではないかと思います。
※基本的に1日の始まりから就寝までの順序で記載しています。
目次
1.起床後
起床後すぐには脳が動かないため,脳の準備体操をしたほうがよいです。
脳の準備体操は,たとえば,以下のことがよいといわれています。
①軽めの運動をする(ex. 10~30分程度のランニングまたはウォーキング)
脳と運動神経はつながっていますので,体を動かすことは脳の準備体操となります。
②音読
司法書士試験の場合は,対象は条文や申請書となります。
③家族との会話
②と③に共通するのは,「声を出すこと」です。
単にテレビの音声を聴くことなどでは受動的な行動なので脳の準備体操にはなりませんが,声を出すことは能動的な行動ですし,一度脳で考えなければならないので,脳の準備体操となります。
④料理
料理も頭を使いますので,脳の準備体操となります。
上記のいずれかで脳の準備体操をした後は,「前の日の軽い復習」から始めてください。
「テキストのうち前の日に思い出せなかった箇所」(余裕があれば「前の日に判断を間違えた過去問の肢」も)をサラっと見る程度(10~30分程度)で結構なので,確認してください。
それでだいぶ記憶の定着度が変わります。
2.出勤(登校)前の学習【兼業受験生の方のみ】
できれば,出勤(登校)時間の2~3時間前に起床して,出勤(登校)前に学習時間を設けてください。
帰宅後は疲労がたまっているため,集中力が落ちてしまう方が多いです。
3.移動時(電車やバスの中)
移動中は周囲の雑音などがありますので,どうしても集中力が落ちます。
そのため,テキストを読んでも集中できず,場合によっては眠ってしまうかもしれません。
そこで,移動中は問題(過去問)を解く時間に充ててください。
問題を解くことのほうが,集中しやすいです。
なお,満員電車などで問題(過去問)を解くことができない場合は,音声を聴いてください。
聴く音声は,講義の録音や条文または申請書の音声データです。
4.仕事や授業の合間の細切れ時間【兼業受験生の方のみ】
昼食後の休憩時間,取引先で待たされている時間など,細切れ時間ができたら勉強してください。
数分しかない場合は,テキストを読むことは難しいので,問題(過去問)を1問解くなど数分でできる勉強をしてください。
cf. 脳内勉強
テキストや問題を開けない環境でも,頭の中で「あの項目の例外を3つ思い出してみよう」などと頭の中で考えるだけでも勉強(アウトプット)になります。俗に「脳内勉強」といわれる方法です。
ex. テキストのうち記憶したい数ページをコピーして胸ポケットに入れ,
「頭の中で思い出してみる
↓
胸ポケットのコピーを取り出せる環境になったら取り出して確認する」
これができるようになると,時間をかなり有効に活用できるようになります。
5.机に向かった学習時
(1)学習場所
「テキストのアウトプット」をするとき,重要部分はできれば声に出してアウトプットしていただきたいので,自宅など声を出せる場所が理想です。
しかし,自宅で学習できない方は,自習室などでも構いません。
仕事が終わって自宅に帰ると,疲れがドッと出て勉強ができなくなってしまうので,会社近くのカフェで学習するといった方もいらっしゃいます。
(2)休憩
「1時間に1回休憩する」などと決めずに,集中力が切れてきたと感じたら(ex. 勉強と関係のないことばかり考えてしまう),たとえ学習開始から30分しか経っていなくても休憩してください。
なお,1日に2~3回,集中力が2~3時間途切れない「試験モード」のような時間がくるのが一般的です。
この試験モードに入った場合は,特に途中で休憩を取らないようにしてください。
試験モードはその波に乗ったほうがよいからです。
一度休憩してしまうと,試験モードに戻せなくなります。
6.就寝前
就寝前は記憶モノをしたほうがよいといわれていますが,この試験はほとんどが記憶モノですので,「就寝前に特にこれをするべきだ」というものはありません。
7.睡眠
睡眠は必ずとってください。
睡眠中に記憶の整理をし,長期記憶になります。
起床中は多数の情報が入ってきますが,睡眠中は新たな情報が入ってきません。
よって,睡眠中に,起床中に得た情報の整理がされます。
8.その他
ご自身が集中力が低くなると感じている時間は,問題(過去問)を解く時間に充ててください。
ex. 一般的には食後は集中力が低くなりますので,食後に問題(過去問)を解いてください。
松本 雅典