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記述の実務化した部分を明確にします

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本試験が終わると,その年度の特徴的な箇所を過度に強調する講師が現れます(受験界を俯瞰して見なければいけない私の立場からすると,毎年の風物詩ですが)。
振り返ってみると,たとえば,平成22年度の民事保全法。
この年度は,民事保全法が難しかったんです。 
それを受けて,「今までの対策ではダメだから,新たな対策が必要である」と主張した講師がいました。
で,平成23年度~平成25年度の民事保全法って,難しかったでしたっけ?
普通の問題でしたよね。 
こういうことはよくあります。
試験なんで,難問が数問混じっているのは当たり前です。
たまたま,平成22年度の民事保全法が難しかっただけです。
本試験を受けて,新たな対策を考えなくてよいというわけではありません。
たとえば,平成23年度の不登法の出題を受け,私は(他の講師もほとんど同じです),すぐに実務形式の登記事項証明書に受験生の方が対応できる講義に変更しました。
つまり,その後の本試験に対しての対策が必要なのかどうかを冷静に見極める必要があるのです。
これをわかって下さい。
では,本題の「平成25年度司法書士試験の記述において実務化した部分」ですが,これは次のようになります。
1. 戸籍の一部事項証明書と全部事項証明書の添付の区別
2. 報告形式の登記原因証明情報の内容の記載

他に「今年度は特に実務的だった」ってのありました?
不登法(記述)の乙土地の登記は私は実務でしたことがありませんし,商登法(記述)の論点もほとんどしたことがありません。
私の実務経験が少ないだけだと言われれば返す言葉はありませんが,清算型遺贈の依頼なんてそうありませんし,商業登記の依頼は設立と役員変更がほとんどです(たまに増資,目的変更,本店移転などがありますが)。
今年度よりも,平成21年度の不登法(記述)のほうがはるかに実務的です。
よって,「今年度は特に実務的だった」と言えるのは上記の1及び2のみです。
1及び2は,私は,どちらも問われないと思っていました。
たとえば,2については,報告形式の登記原因証明情報の見本をテキストに載せておきながら,「記憶は不要なので,サラッと読んでおいて下さい」と申し上げていました(伊藤塾さんは,前々から2はあり得ると指導していました。すばらしいですね)。
それでは,これを受けて今年度の講座内容を変えるかですが,ほとんど変わりません。
1について
記述で問われたことを話し,最低限の説明は講義でします。
2について
記述で問われたことを話し,どのようなことを書くかを講義で説明します。
昨年度同様,『Realistic Text』に掲載されている報告形式の登記原因証明情報は売買を原因とする所有権移転の登記ですが,「これ以外の報告形式の登記原因証明情報の記載内容を記憶して下さい」などとは,申し上げません。
「いくつあるんだ」って話ですし,たとえば,抵当権設定の報告形式の登記原因証明情報は銀行さんが最初から用意していることも多く,司法書士が必ずしも作るわけではないのです(不動産の表示だけ書くということはよくあります)。
よって,売買を原因とする所有権移転の登記の報告形式の登記原因証明情報を例に,報告形式の登記原因証明情報にどのようなことを書くかを説明するだけにします。
結局,1及び2の講義での説明って,30分もかからないんです。
よって,「そのために講座を取って下さい」とは,とてもではないですが,申し上げられません。
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ということで,来年度以降の対策として,過度に意識する必要はありません。
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