「司法書士試験は,実務家登用試験である」とよく言われます。
余談ですが,「司法試験が教養試験であり,実務家登用試験ではない」というのは,嘘です。
昔の話しか知らない人が,適当に言っているだけなので,信用しないで下さい。
法律系資格試験で,教養試験であるのは,行政書士試験です。
司法書士試験の話に戻します。
たしかに,実務経験のない合格者の中にも,配属研修(1~3か月間,原則として無償で司法書士事務所で修行をさせてもらう制度)を経ただけで開業している人はいます。
補助者経験の長い同期や先輩司法書士に聞きながらではありますが,何とかやっています。
ですから,実務に非常に役に立つ知識を学ぶということは,間違いありません。
しかし,実務と試験(記述であっても)は,違います。
たとえば,記述で言うと,実務と試験の最大の違いは,
要求される正確性の程度
です。
あのボリュームの事案を45~55分で処理して申請するなんてことは,不動産取引の数が尋常でなかったバブルの時代でない限りは,ありません。
そんなことは,試験委員もわかっています。
しかし,予備校によっては,この点が全くわかっていません。
ですから,答練や模試で,試験委員がまず作らないだろうという問題を平気で作ったりします。
記述では,解答を間違えない程度に,実務よりも正確性を落とす必要があります。
正確性を追求しすぎる(細かいことを気にしすぎる)というのは,危険です。
たとえば,
平成23年度の不登法(記述)の登記記録では,「調製」が「調整」と誤記されていた
といった点に拘っても,点数は伸びません。
なお、記述は,記述特有の対策が必要です。
なぜ必要かは,以下のガイダンスの58:00過ぎに話しています。
※前回の記事を書いた後に,「追記」という形で,基礎講座をご受講される方,又は,ご受講をご検討中の方向けに,この時期にするべき勉強について記載しました。ご覧になっていない方は,こちらからご覧下さい。
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