私は,他の講師や予備校を批判することがあります。
他の講師の先生でも,他の講師や予備校を批判する方がいます。
たとえば,伊藤塾さんの小山先生のこの記事。
要件事実不要論に対する反論~花菱(勉強会)にて~小山晃司先生より
こういった講師の姿勢に,「自分の評価を上げるために批判をしている」という指摘があります。
しかし,(汚い言葉を使いますが)「そんなバカな講師」はいません。
1対1でなければネガティブキャンペーンにならない
この指摘は,講師が「ネガティブキャンペーン」をしているという指摘ですよね。
しかし,ネガティブキャンペーンが有効なのは,1対1(実質上1対1も含む)の戦いの場合だけです。
これは定石です。
1対1の戦いなら,相手を落とせば自分が上がります。
有名なネガティブキャンペーンがされる戦いに,アメリカの大統領選挙があります。
あれは,「民主党VS共和党」の1対1だから有効なのです。
日本の例でいうと,昨年末の大阪の知事・市長選挙で,お互いのネガティブキャンペーンがされました。
あれは,「大阪維新の会VS自民党・民主党・共産党などの連合」の実質上の1対1となったから有効になったのです。
両陣営ともネガティブキャンペーンで自分の評価を下げた部分もあったでしょうが,相手方の評価がそれよりも下がったのであれば成功なのです。
「政治家って,あんな相手の批判ばかりしてバカなの?」という指摘もありましたが,政治家は選挙で勝たないと何もできないわけですから,マイナスになる(と思っている)ことをするはずがありません。
選挙って裏にものすご~く頭のいいプロ(選挙プランナーなど)がつくんです。
講師の批判
では,講師の批判がネガティブキャンペーン(宣伝)になるでしょうか。
なりません。
現状の司法書士試験の受験界をご覧になった方で,「1対1の戦いだ」と言う方はいないですよね。
たとえば,私がA講師の批判をしたとしましょう。
私の評価が上がるわけがありません。
その批判が適切だとしても,A講師と私の評価が下がって,受験生の方はB講師~Z講師のいずれかの講座を取るだけです。
以下のようなイメージです。
私は,講師の中で1番のバカだと思いますが,ネガティブキャンペーン(宣伝)となると思っているほどバカではありません。
実際に,以下の記事に対して,Twitterにいくつか誹謗中傷がきましたし。
保身に走る司法書士試験講師
だから,おそらく辰已法律研究所さんは,「講座の売上に響くから,ブログやTwitterでは落ち着いてくれ~」と思っているはずです(そんな話をしたことがないので想像ですが)。
では講師はなぜ批判をするのか?
「他者を批判すれば,自分の評価を下げるだけである」という趣旨の記事が,一時期ネットで広がりましたよね。
これが一般的な感覚です。
そんなことは,すべての講師がわかっています。
しかし,「他者を批判すれば,自分の評価を下げるだけである」なんてレベルの低い発想ではないんです。
「自分の評価を下げようが,自分の講座の受講生数が減ろうが,問題提起しなければならない」
そう考えているんです。
なぜか。
それは,法に携わる者だからです。
法は,常に不完全です。
人間が作ったものだからです。
たとえば,この国では現在「死刑」制度,つまり,国家が人の命を合法的に奪う制度があります。
凶悪犯であってもその命を奪っていいのか,これは永遠に議論しなければなりません。
死刑制度ほど大きな問題ではなくても,法に携わる者なら,自分から問題提起(批判)をすることから逃げてはいけないのです。
別に私の問題提起が正しいなんて言っているわけではありません。
それは,わかりません。
しかし,保身に走る司法書士試験講師で書いた内容や,前回の記事で「ガイダンスで初任給について語らなかったら,その講師は終わります。」などと書いたとおり,常に問題提起はしていかなくてはならないのです。
他の講師や予備校の批判をしない講師こそ講座の売上のことばかり考えている
よって,他の講師や予備校の批判をしない講師こそ,講座の売上のことばかり考えています(まったく提起したい問題がない講師は除きます)。
だから,あの予備校とあの予備校の講師のブログ・Twitter率は低いのです。
ビジネス上は上手いやり方ですよね。
でも,言いたいことがあるなら,恐れず言いなよ。
裏であれだけ言ってんだから。
この記事の趣旨に沿うよう,最後は他の講師や予備校の批判をしない講師を批判しておきました。
これで,「私の」評価が下がりました。
それが一般の感覚です。
近日開催
担当講座



