保身に走る司法書士試験講師

予備校
私からのこの業界への提言です。
「講義,ガイダンス,書籍,ブログ,Twitterなどで,他の予備校名や他の予備校の講師名を出さず,自分が契約している予備校,その答練・模試,その講師のみを勧める講師は,保身に走っている推定が強く働きます」
おそらく,予備校と講師の関係には誤解があると思います。
予備校と講師の間には,上下関係は一切ありません。
雇用契約ではありませんから。
たとえば,私が辰已法律研究所さんの東京本校で,所長の後藤さんとすれ違った時,私の父と同い年である後藤さんは,必ず足を止め,深々とお辞儀をされます(←そこまで丁寧でなくて大丈夫なんですが)。
また,大阪本校に伺い,私が大阪本校から帰る時は,私の父と同い年くらいの大阪本校のトップの方が,私が乗るエレベーターのドアが閉まるまで140度くらい頭を下げ続けています(←本当にそこまでされる必要はありません。単なる生意気なガキですから)。
対等な関係ですから,ここまでしていただく必要は本当になく,このような対応をブログに記載するのは適切ではないのですが,今日の記事の性質上,予備校と講師の関係をお伝えするために記載しました。
このような関係ですから,講師が予備校に「うちの答練・模試を宣伝しろ」「うちの他の講師をお勧めしろ」と言われることは決してありません。
私も,もちろん一度も言われたことはありません。
また,私は,講義やガイダンスで他の予備校さんを具体例として出したり,他の予備校の講師を勧めたりします。
書籍にも,他の予備校名は出てきます。
毎年,ブログに以下のような記事も書いています。
松本お薦めのLECさん・TAC/Wセミナーさん・伊藤塾さんの司法書士試験講師(講座)
※今年バージョンはTwitterに書きました。

ブログやTwitterについて,辰已法律研究所さんから何か言われたことはありません(そもそもご覧になっているんでしょうか)。
基礎講座のパンフレットに記載されている講義時間に辰已法律研究所さんに伺って講義をすること以外,私には何の義務もないのです。
また,私には,出版社など他の取引先企業もあります。
ある出版社と契約しているから,他の出版社の書籍をお勧めできないなんてあり得ないですよね。
しかも,一般的に,出版社との契約期間のほうが予備校との契約期間よりも長いです。
私以外にも,ガイダンスやブログで他の予備校や他の予備校の講師の名を挙げている講師はいることからも,これが予備校と講師の関係なんだと納得していただけると思います。
よって,講義,ガイダンス,書籍,ブログ,Twitterなどで,他の予備校名や他の予備校の講師名を出さず,自分が契約している予備校,その答練・模試,その講師のみを勧める講師は,保身に走っている確率がかなり高いのです。
各予備校,まともな講師は数人しかいないわけですから, 自分が契約している予備校の講師ばかりを勧めるのは明らかにおかしいです。
答練・模試についても,某予備校の某講師は推しまくっていますが,その講師は答練・模試を作っている校舎にほとんど現れないそうです。
では,なぜこのような行動に走るのか。 

予備校と講師は,一般的には1年契約であり,1年に1回は契約更新の話し合いをします。
自分が契約している予備校,その答練・模試,その講師のみを勧める講師は,この契約更新時に「御社のために,こんなに協力しましたよ!」と言いたいのです。
報酬や条件を少しでも上げたいですから。
また,「大きい講座は,他の講師に取られたくない」と思っている講師が多いですから,予備校である程度力のある方(校舎長や司法書士試験科の部長など)に気に入られたいという思いもあります。
私も,報酬は1円でも上がったほうが嬉しいですし,基礎講座はずっと続けていきたいです。
ただ,そのために,自分が契約している予備校,その答練・模試,その講師のみを勧めていいんですか。
講師が予備校にアピールするのは勝手ですが,お勧めしている相手は「受験生の方」です。
「体だけ受験生の方のほうを向き,気持ちは予備校のほうを向いている」,そんな講師が,本当にあなたがなりたかった講師なんですか。
あなたが受験生であった時に,理想としていた講師なんですか。
私は,違います。
私は,受験生時代に,多くの講師の姿勢に疑問を持っており,「講師をするなら言いたいことを遠慮せずに言う姿勢は崩したくない」と思っていました。
それをそのまま行っている,突き詰めるとこれだけです。
私の今の姿勢が正しいのかはわかりませんが(それは受験生の方が判断することです),少なくとも自分が受験生時代に理想とした姿勢は実現しています。
さらに申し上げると,保身に走る人間は結局は「保身」にならないことが結構あります。
政治家とか芸能人とか,そうですよね。
「最初から素直に言っておけば引退しなくて済んだのに」というパターンは多いです。
受験生の方の目はどんどん鋭くなり,保身に走る講師は,保身に走っていることが見透かされ,結局は避けられることになるでしょう。
そうすると,いくら契約更新時に「御社のために,こんなに協力しましたよ!」と言っても,自身の講座を受講する人が激減しているのであれば,予備校から契約を切られます。
結局,保身に走った講師が,最も「保身」を実現できないかもしれません。
よって,最も保身に走っているのは,言いたいことを言いまくっている私なのかもしれません。
今日の記事は,受験生時代から私が書きたかった記事です。
今後も,予備校に対する感覚は受験生時代のまま,これまでの講師が言わなかったことを言い続けます。
私が入るまでのこの業界は異常でした(今もまだかなり異常ですが)。
私が,将来この業界に入ってくる合格者の方のために,「講師は予備校と関係なく,言いたいことを言う」,この当たり前のことを本当の当たり前に変えておきます。
合格者には後進の受験生の方に対する責任があると私は考えています。

担当講座

リアリスティック一発合格松本基礎講座

 
松本 雅典
 
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