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- 平成29年度司法書士試験
- 非常に例外的
スポーツ選手が,「この試合は,ゾーンに入っており,実力以上の力が出た」と言うことがあります。
いわゆる,「負ける気がしない状態」です。
試験でも,まれにそのような状態に入る方がいます。
私も,本試験当日はゾーンに入っていたと思います。
ただ,非常に例外的です。
私のクラスの合格者の方でも,これまで「ゾーンに入った」という方は本当にわずかにしか聞いたことがありません。
「泣きそうになった……」「もうダメだと何回も思った……」というように合格する方がほとんどで,ゾーンに入れないのが普通(99%以上の方)なので,ご安心ください。
しかし,このハナシを聞いていると,まれに「ゾーンに入れました」という方がいます。
そのために書いておきますね。
本試験当日,ちょっとだけ「ゾーンに入れないか」を試してみてほしいんです。
「根拠のない自信」が元にある
勉強をしてきたのは,当たり前です。
しかし,とんでもない勉強を続けてきた人でも,ゾーンに入れるのはごく一部です。
何が違うかというと,私の勝手な推測では「根拠のない自信」があるかどうかです。
私のTwitterをご覧の方はご存知だと思いますが,私は根拠のない自信最強論者です。
根拠のある自信が大事であると,一般的には言われます。
ただ,根拠のない自信があるほうが強いです(なくても試験には何の問題もなく受かります)。
根拠のある自信は,崩れることがあります。
「根拠」に基づく自信ですから,根拠が崩れたら崩れるんです。
たとえば,「東大」を出ても,社会に出れば自分よりも学歴が低くて仕事ができる人は腐るほどいます。
しかし,根拠のない自信は,崩れることがないんです。
崩されるものがないですから。
私には,根拠のない自信がありました。
「自分は受かる。メチャクチャ運がいいから,最後にはすべて自分に都合のいい結末になる。」と思っていました(今でも思っています)。
受験したのは23歳でしたが,「この歳まで生きられた。受験勉強を続け,試験会場まで来られた。なんて運がいいんだ。」と思っていました(今でも1番運がいいと思っています)。
根拠のない自信を持ちやすいのは,脳科学者の茂木さんいわく,「見守り型の母親」に育てられた人だそうです。
たしかに私は,「勉強しろ」など「~しろ」と言われたことはほとんどなく,決めたことに反対されたこともありませんでした。
ちなみに,私の兄は,私をはるかに凌駕する根拠のない自信の持ち主です。
なお,念のため申し上げますが,私は,勉強はメチャクチャしました。
「0」や「30」を「100」にする
あと,以下のように考えていたので,「落ちることへの恐怖」を持たずに受けました。
誤解を招きそうだけど、
「落ちたくない」とは考えずに試験を受けたので恐れはなかった
落ちない方法は、以下の2つ。
・受かる
・受けない受けなければ、100%落ちない。
100%落ちない方法を捨てて勉強を開始した時点で、「落ちたくない」はなく、「受かりたい」しかなかった。— 松本 雅典(司法書士試験講師) (@matumoto_masa) 2017年6月11日
みなさんに当てはまらないかもしれませんが,私は元々「0」でした。
受かれば,それが「100」になりますが,受からなくても,「0」のままでした。
今は,自分が現在目指しているところを100とすると「30」くらいだと思いますが,失敗して「0」になるという恐れはありません。
「0」や「30」を「100」にすること,頭の中のほとんどがこれなんです。
このように考えられない方がほとんどなのを理解したうえであえて申し上げますが,以下の2点をちょっとだけ考えてみてください。
・根拠のない自信を持てないか?
・失敗することへの恐怖ではなく,「0」や「30」を「100」にする方向に集中できないか?
できなくても,まったく問題ありません。
このように試験を受ける合格者の方は,ほとんどいませんので。
松本 雅典