「過去問を何度も繰り返す時代は完全に終結した」
これは,平成23年10月に発売された『司法書士5ヶ月合格法』(最新版は第2版です)P250に記載した文言です。
平成26年度司法書士試験が終わりましたが,どれくらい異論がなくなったでしょうか。
過去問を何度も繰り返す勉強法を採るべきではない理由は,以下の2点です。
1.司法書士試験は過去問知識だけで合格できる試験ではない
2.過去問を繰り返すだけでは過去問知識を習得することもできない
2は,議論する意義があることです。
「習得」とは,過去問集で正誤を判断できるという話ではなく,「同じ知識を形を変えて聞かれたときに,正誤の判断ができるようになる」ということです。
私も,「過去問を繰り返すだけで,過去問知識を習得することができる方が1人もいない」とは思っていません(限りなく少ないとは思っていますが)。
2の議論もしたいところなのですが,今回は簡単な「1」について書きます。

1.司法書士試験は過去問知識だけで合格できる試験ではない

これは,議論の対象になることではありません。
「平成26年度司法書士試験が過去問で何問正解できたのか」という数字で判断すればよいだけです。
たとえば,午前択一。
今年度の本試験の後に,「過去問知識だけで15問くらい解けた」「過去問知識だけで20問くらい解けた」「過去問知識だけで基準点くらいは獲れた」「過去問知識だけで合格できた」などと言っている講師もいました。
上記の発言をされた講師の方,その発言を信じている受験生の方もいるわけですから,肢ごとにどの過去問番号が該当するのかを示して下さい。
私は,以下の記事で示しました(午前択一は過去問知識だけで正解にたどり着ける問題は「8問」であるというのが私の分析です。ただし,今年度は例年以上に低い正解数です)。
平成26年度司法書士試験の午前択一はテキストおよび過去問で何問獲れた?
上記ページの分析表は,私の講座をご受講いただいた方向けのものですので,分析対象過去問が辰已法律研究所さんの『司法書士試験平成の択一過去問本』のうち,私が講義で解いていただくようにお願いした過去問ですが(※),昭和の過去問まで入れてもあまり変わりません。
※会社法・商業登記法については,平成17年度以前の過去問は,解いていただくようにお願いしたものが少ないです。それ以外については,ごく一部の過去問を除いてほとんどの過去問を解いていただいています。

前記の発言をされた講師の方,肢ごとにどの過去問番号が該当するのかを示して下さい。
以下のページにある講師のブログなどはチェックしていますが,ガイダンスなどはすべてチェックできていません。
司法書士試験講師のブログなど
よって,どこかに記載していただいた場合は,sihousyosi_5month@yahoo.co.jpまでメールを頂ければ幸いです。
類推解釈していないかチェックさせていただきます。
「15問」「20問」「基準点」「合格」は,拡大解釈の域を超えて類推解釈になっていると私は考えています。
類推解釈は,私は「推理」と表現していますとおり,「知識で解けた」とは言えません。
「過去問知識だけで15問くらい解けた」「過去問知識だけで20問くらい解けた」「過去問知識だけで基準点くらいは獲れた」「過去問知識だけで合格できた」などという発言をした講師には,この義務があると思います(私にメールを送る義務ではなく,受験生の方に示す義務です)。
「この講師の批判をしたい」とかではなく,純粋に知りたいんですよね。
上記のような発言は数え切れないくらい聞いたことがありますが,対照表はほとんど見たことがないので。
私は,過去問を解いて,テキストの根拠ページを過去問の肢ごとに書き込み(講座専用ブログに過去問の肢ごとにテキストの根拠ページを記載するためです),テキストに書き込んだ過去問番号を確認するということを,毎年,毎回の講義に合わせて行っていますが,「15問」「20問」「基準点」「合格」などと言われると,漏れがあるのか不安になります(毎年,毎回の講義に合わせて行っていますので,漏れがあるわけがないと思うのですが…)。
私は,他の講師にキツイことを言っているのでしょうか。
もし,本試験の1肢1肢を,テキストや過去問と照らし合わせていないにもかかわらず,上記のような発言をした講師がいるのであれば,そしりを受けるのは当然だと思います。
それに対して,照らし合わせたうえで上記のような発言をしたのであれば,それを示すのは容易であり(キーボードを打つのが面倒なくらい),まったく困ることではないはずです。
受験生の方は,「過去問知識だけで『15問』『20問』『基準点』『合格』」のエビデンスが挙がるのを少しウォッチしてみて下さい。
挙がらなければ,「過去問を何度も繰り返す時代は完全に終結した」という,私の平成23年10月の主張を信じていただけますでしょうか。
松本 雅典
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